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日向坂46・正源司陽子&渡辺莉奈、四期生映画で女優への第一歩『ゼンブ・オブ・トーキョー』初演技の舞台裏

シネマトゥデイ 映画情報 2024年10月25日 7時12分

 人気アイドルグループ・日向坂46の四期生が全員出演する長編映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』(全国公開中)。東京にやってきた修学旅行生たちの一日を、四期生たちの初々しい表情と共に映し出す本作は、痛みを分かち合い、助け合える仲間の大切さを描いた、未来への希望にあふれる青春映画に仕上がった。

 明るく天真爛漫な主人公・池園優里香(いけぞの・ゆりか)を演じたのは、2作連続で表題曲センターを務める正源司陽子(17)。そして、アイドルになる夢を抱えて思い悩む同級生・桐井智紗(きりい・ちさ)を演じたのは、最年少にして堂々たるパフォーマンスでファンを魅了する渡辺莉奈(15)。人気グループのエースとして数々のステージをこなしてきた二人が、同期みんなで臨んだ初映画と演技への思いを語り合った。(編集部・入倉功一)

まさかの野望実現!

Q:四期生初の映画出演で演技もほぼ初挑戦となりました。

正源司陽子(以下、正源司):小さなころから演技のお仕事にもすごく関心があって、いつか絶対に夢をかなえるんだ! という、野望を持っていたんです。それがまさか、四期生がみんなで出演する、こんなに大掛かりで大切な作品でかなうとは思っていなかったので、本当に嬉しかったです。

渡辺莉奈:(以下、渡辺):私は大好きな本を通して主人公の心情に触れて、なりきった気持ちで読み進めたりするんです。文字と映像では違うかもしれませんが、そういう意味では演技に興味を持っていました。ただ、私もまさか四期生全員が出る映画でこうした機会をいただけるとは思っていなくて。普通なら絶対にないことだから、この映画にかけて頑張らないといけないなって思っていました。

Q:正源司さんは主演という立場にプレッシャーは感じていましたか?

正源司:やはり同期のみんなが一緒だったことがすごく心強くて。演技に対しても前向きに頑張れた気がします。主演という立場ですが、それは形だけというか、メンバーみんなにスポットライトが当たる映画になっているので、私はそれを見守っているような立場だと感じていました。

Q:渡辺さんが演じられた智紗は、一人で行動する場面も多かったですね。

渡辺:智紗の気持ちを考えると不安でした。みんなに黙ったままアイドルのオーディションを受けようとしていて、けっこう大胆な行動もとるんですけど、周りには誰もいない。彼女のそういう不安を私もずっと感じていました。ただ撮影現場は、陽子と一緒のシーンが多くて楽しかったです。

正源司:そうなんです。二人で演技する場面も多くて。智紗から本音を打ち明けられるシーンでは、渡辺の演技がすごく素敵だったことが印象に残っています。私にとってもかなり難しいシーンで、もし友達が本当にそういう状況になったとき、自分ならどうするか考えたりして、とても悩んだことを覚えています。

渡辺:それと私は、先輩の小坂菜緒さんや八嶋智人さん、真飛聖さんと共演させていただくことも多くて。皆さんの演技を見て、自分のなかで役を作っていくことの大切さを知ったりと、新しい学びを得られる機会も多かったので、本当にありがたかったです。

アドリブで大盛り上がり

Q:企画段階で四期生全員に事前インタビューをされたそうですが、映画にはどのように反映されたのでしょう。

正源司:実際の私たちのエピソードが反映されるというよりも、その時に各々がどんな行動をとったのかを聞いて、そこからそれぞれに合ったキャラクターに当てはめていただくような感じだったと思います。

渡辺:そうですね。最終的には本読みを経て、登場人物を当てはめていただいてキャラクターを固めた感じでした。だから、みんなの演技を見ていると、ふとした時に役と本人の似ている部分が見えたりして、不思議な気持ちになるんです。(キャラに)当てはまってるな~って。

Q:本読みもほぼ初体験だったと思いますが、いかがでしたか?

渡辺:熊切(和嘉)監督からは、もっと素の感じでやってほしいと助言をいただきました。やっぱり最初は「演技をしなきゃ」っていう気持ちが自分のなかで強すぎたみたいです。

正源司:グループになって本読みをする機会もあったのですが、テンポが良くなりすぎず、それでいてグダグダでもない、より自然な掛け合いができるように、間の使い方を指導していただきました。

Q:確かに、高校生感あふれる会話もリアルでした。

正源司:その点も含めて、2年間ずっと一緒に過ごしてきた、四期生だからこそできた作品なんだと思います。まだまだ未熟で演技も未経験の私たちなので、初対面の方との掛け合いだったら、もっとぎこちなくなっていた気がするんです。

渡辺:掛け合いについては、四期生同士だからこそできた部分があると思います。撮影も自由な感じで、アドリブも入れられたりしたので、より自然で、素の感覚で演じることができました。

正源司:そう! アドリブ楽しかった~。しかも、けっこう数が多かったよね。

渡辺:特に初日はかなり多かったよね。リアルな修学旅行生っぽく、やらせていただきました。

正源司:みんな、たまに本名で呼んじゃってたもんね。

渡辺:あと、私は比較的1人で行動するシーンが多いので、いろんな場所で「ここで自由に動いてください」みたいな指示をいただく場面もあって。こんな時はどうするんだろう? って頑張って考えることもありました。

正源司:私も! 1番記憶に残っているのは、カメラが池園の歩いている歩道橋全体を撮っているなか、地面の印で立ち止まって景色を見るっていう場面があったんですが、印が見つけられず、画面の端っこで景色を眺めるっていう謎のシーンになってしまい……。もう日が落ちる~! っていうタイミングでやらかしてしまって、本当に申し訳なかったです(笑)。

俳優としてのこれから

Q:グループの冠番組「日向坂で会いましょう」(略称:ひなあい)で見る渡辺さんと智紗の間にはギャップがある気がします。

渡辺:確かに「ひなあい」の感じからすると、そうかもしれません(笑)。四期生の皆と話している時も、けっこう突っ込んだりすることが多いので。撮影では、静かで控えめな女の子でいることをすごく意識していました。

Q:反対に、正源司さんが演じた池園は、真っ直ぐでみんなを引っ張る、突き抜けた性格の主人公です。

正源司:そうなんです。それこそ、漫画の主人公というか。私自身は、常に人の顔色をうかがってしまう慎重派な一面があるので、想像していた以上に明るい役とのギャップに苦戦しました。ただ、それこそ普段から漫画を読んだり、アニメを見ることが大好きなので、(アニメの)声優さんだったらどんな演技をされるんだろうってイメージしたことが、演技に生かせた気がします。

Q:役づくりでいえば、渡辺さんは映画のために髪を切られました。

渡辺:撮影が始まる2週間くらい前に熊切監督からお話をいただきました。その時に、髪を切った智紗のイメージや感情を書いたイラストもいただいたんです。私も曖昧な思いで作品に関わりたくなかったですし、それだけの思いのこもったイラストを見ていたら、どうしてもこの作品を成功させたいという思いが強くなってきて、切ろうと決心しました。

Q:アイドルが髪型を変えることは、大きな決断だったと思います。

渡辺:そうですね。グループに入ってから、ずっとロングヘアで活動させていただいていたので、大丈夫なのかな……。という気持ちはありました。でも今は、おひさま(日向坂46のファンの総称)の皆さんからも“この短さがいいよ”って言ってもらえたりもして、切ってよかったなって思っています。

Q:役づくりも含め、四期生の皆さんが女優としての第一歩を踏み出す作品になりましたが、 今後も演技のお仕事に挑戦したいですか?

渡辺:以前、先輩が出演された舞台を鑑賞した時に、長い稽古期間を経て本番に挑む姿に感動したんです。アイドル活動や映像作品とはまた違う学びがあると思うので、もし機会をいただけるなら舞台にも挑戦したいと思っています。

正源司:この映画を経験してさらにお芝居への興味がわきましたし、これからも挑戦したいです。それと、やっぱり私はアニメが大好きで一時は声優を目指そうかと本気で考えていたこともあったんです。先輩方も挑戦されているので、いつかそういった機会があったらすごく嬉しいなと思っています。

卒業する先輩と新メンバーに向けて

Q:日向坂46新メンバーオーディションが進行中です。今回の映画を通じて、これからグループに加入する後輩に受け取ってほしいメッセージはありますか?

正源司:今回の映画もそうですが、日向坂46に加入してから、私自身も周りも、すごく良い意味で全てが変わりました。だから新しいメンバーのみんなには、少しでも何か挑戦したいって思っていることがあるなら、 絶対にその気持ちを大事にしてほしいです。この映画を観て、大切な一歩を踏み出す気持ちを持ってもらえたら嬉しいです。

渡辺:オーディションを受けに行く役を演じていて、「ここで人生が変わるかもしれない」っていうほどの大事な日に、緊張しすぎて逆に帰りたくなるような気持ちを感じることもありました。新しいことに挑戦する怖さって絶対にあると思いますが、少しの勇気があれば、うまくいくこともあります。もし興味があるなら、ぜひいろんなことに挑んでほしいし、私たちの初映画を観て、挑戦することっていいなって思ってもらえたら嬉しいです。

Q:4名の先輩方(加藤史帆、東村芽依、丹生明里、濱岸ひより)が同時に卒業を発表されました。この映画を通じて先輩方に伝えたい思いはありますか?

渡辺:今回の映画は、先輩方が私たちにグループのことを任せられると思っていただけるように頑張りました。4人の先輩方がいなくなってしまうと考えると本当に寂しいですが、私たち四期生も一番下の立場ではなくなりますし、この映画を観た新メンバーが、自分たちもいつか次の子たちにグループを任せられるような存在にならないとねって思ってほしいです。

正源司:卒業される先輩方にはお世話になってばかりだったので、本当に寂しくて悲しい気持ちでいっぱいです。だけど、送り出す時は笑顔でって決めているんです。そのためにも、この映画を通じて新しい四期生の強みを知っていただき、皆さんに少しでも安心して卒業できるようになっていただければいいなと思っています。

Q:ちなみに、今回の映画を経て、上京した時の気持ちを思い出したりしましたか?

渡辺:私の場合、東京は人が多い場所っていうイメージしかなくて、地元にいる時も強い憧れはなかったんです。だけど、今回の映画ではリアルな修学旅行生体験をしたことで、遊びに行ったら絶対に楽しいだろうなって思う場所に出会えたので、今のうちに、もっと高校生が行きそうな場所も周りたいです。

正源司:そうだよね、渡辺まだ1年生だもんね~。若い! 私は3年生になっちゃうからなぁ~。

映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』は10月25日より全国公開中

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