映画『室井慎次 敗れざる者』の秋田凱旋舞台あいさつが26日、秋田県大仙市のイオンシネマ大曲で行われ、主演の柳葉敏郎、共演の福本莉子と齋藤潤、本広克行監督が出席。「踊るプロジェクト」12年ぶりの新作映画を引っ提げ故郷に凱旋した柳葉は、イベントの最後に感極まって涙を浮かべた。
本作は、社会現象を巻き起こした「踊る大捜査線」シリーズで柳葉が演じた室井慎次を主人公とする2部作映画の第1弾。警察を辞め、事件の被害者家族・加害者家族の子供たちの里親として故郷・秋田で暮らす室井に、新たな事件の影が迫る。10月25日までの公開2週間で、興行収入10億円を突破するヒットを記録している。
会場のイオンシネマ大曲は、柳葉が普段訪れるという映画館。全国の劇場の中で観客動員数第2位であることが伝えられると、柳葉は「どでんしたっす!(びっくりしました!)」と秋田弁で驚き、「本当にありがとうございます。秋田で撮影をしているときは懐かしい想いと、育ててもらった故郷へ少しでも恩返しができたらと思っていました。そんな中、こんな嬉しい出来事を聞けて、秋田県人でいがったっす(良かったです)!」と感謝を述べた。
「踊る」史上最悪の猟奇殺人犯の娘・日向杏を演じた福本は、「昨日、大曲駅に着いた瞬間から本作のポスターがあって、街全体で映画を盛り上げてくださり、皆さんの愛が伝わってきて、とても嬉しかったです」とコメント。室井と一緒に暮らす少年・森貴仁役の齋藤も「僕もすごいびっくりしてます。本当にみなさんに愛されているんだなと感じています」と作品を愛する秋田のファンに感謝した。
撮影は秋田でも行われており、福本が「猛吹雪の朝に撮影でラーメンを食べて、すごくおいしかったです。体に滲みました」と思い出を明かすと、柳葉が「あそこの店は角館高校の後輩がやっているんだよ」と地元トークを展開。齋藤も「秋田に着いた瞬間の外の空気が美味しすぎて、ここに住みたいなと思いました。田沢湖の水が綺麗で、美しい自然に囲まれながら撮影できていたのは幸せでした」と秋田ロケを振り返った。
柳葉らキャスト陣はその後も、秋田の食べ物について熱く語り合い、本広監督も「秋田に来て食べ物が美味しくて、撮影期間中に14キロ太りました(笑)」とぶっちゃけ。さらに、齋藤ふんする貴仁の高校が、柳葉が実際に通っていた母校であることに話題が及ぶと、柳葉は「感極まるものがありますね。僕は出番がなかったんですけど、タカがお世話になっているので、プリンの差し入れを持って行きました。美味しかったべ?」と齋藤に語り、齋藤も「美味しかったです! 2ついただきました!」と笑顔。「僕も柳葉さんの母校で撮影できることが嬉しくて、柳葉さんが頑張ろうと声をかけていただいて、すごく暖かったです」と齋藤が返すと、柳葉は「100点だな(笑)」と笑顔を見せた。
『敗れざる者』に続く第2弾『室井慎次 生き続ける者』は、11月15日の全国公開に先駆け、11月8日から3日間の先行上映が決定した。柳葉は「それだけこの作品が皆さんの想いを背負っているんだなと感じて、感謝しかないです。室井慎次という男の生き様の話ですが、彼の体に流れている秋田の血がみなさんに伝わっているのかなという気がしてならないです」と思いを明かすと、会場からは大きな拍手が。福本も「『室井慎次 敗れざる者』を見て、『室井慎次 生き続ける者』を楽しみにしてくださっている方がたくさんいらっしゃるんだなと思って、愛しか感じません!」と感謝した。
イベントの最後、柳葉は感極まり涙を浮かべながら「この話をいただいたときは断るつもりでいましたが、こうして作品をみなさんに観ていただいて、感謝しかないです。室井慎次は敗れざる者であり、生き続ける者です。柳葉敏郎は、幸せ者です」と深々とお辞儀。退場時には、客席にいた柳葉の同級生から大きな花束を受け取っていた。(編集部・倉本拓弥)
『室井慎次 敗れざる者』全国公開中
『室井慎次 生き続ける者』11月15日(金)全国公開(11月8日~10日まで先行上映)
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