大ヒット公開中の映画『八犬伝』より、原作ファンからも人気の芳流閣シーンのVFXメイキング映像と、この見事な“死闘”を繰り広げた渡邊圭祐&水上恒司がその裏側を語る、特別映像が公開された。
本作は、世界に誇る日本ファンタジーの原点ともいえる「南総里見八犬伝」の作者・滝沢馬琴の執筆への情熱を、浮世絵師・葛飾北斎との交流を交えて壮大な構成で現代に蘇らせた山田風太郎の「八犬伝 上・下」を、『ピンポン』や『鋼の錬金術師』シリーズの曽利文彦監督が実写映画化。八つの珠に引き寄せられた八人の剣士たちの戦いをダイナミックなVFXで描く“虚”パートと、その物語を生み出す馬琴(役所広司)と北斎(内野聖陽)の奇妙な友情を通じて描く“実”パートが交錯する。
芳流閣シーンとは、後に八犬士たちのリーダーとなる犬塚信乃(渡邊)が、冒険のさなか、信乃を捕えようとする十手使いの豪快な男・犬飼現八(水上)と対峙し、芳流閣の瓦屋根の上で壮絶な戦いを展開するという場面。渡邉と水上以外は全てVFXで制作され、二人のアクションシーンの撮影は、富士山が見えるロケーションに十畳程のグリーンバックと屋根に見立てた30度の傾斜のセットで行われた。CGは屋根の瓦の形状の細部までこだわっており、平場で撮影したアクション映像の合成を考えると平瓦にしたほうがいいのではと曽利監督は考えたそうだが、最終的に丸瓦にする難題にチャレンジし、より迫力のあるシーンを作り上げている。
公開された特別映像では、『八犬伝』の世界を忠実に再現するために最新VFX技術と実景の撮影を巧みに融合させる過程が映し出されており、実際に撮影に挑んだ渡邊と水上が語る撮影秘話も。芳流閣シーンについて、渡邊が「原作ファンの方からも再現してくれてよかったと一番言われることが多い気がします」と語ると、水上も「やっぱり VFX はいいな、【虚】のほうはいいな、カッコいいな」と主演の役所からも絶賛されたことを明かす。
映し出される撮影時の状態からの進化の様子には、思わず「(凄すぎて)理解ができません 出てるけど(笑)」と語る水上と、「すごいよなぁ~」と驚嘆の声を上げる渡邊。苦労の末、完成した映像については「観客の皆さんと同じリアクションで観てました スゲーって」(渡邊)、「大変恐縮ですけど見事なものだなと思います。どれだけの時間と工程を踏んでこれを僕らが今目の当たりにできているのかわからない」(水上)と絶賛していた。(高橋理久)
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