クエンティン・タランティーノ監督がポッドキャスト番組「The Bret Easton Ellis Podcast」に出演し、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『デューン 砂の惑星PART2』や真田広之が主演・製作を務めたドラマ「SHOGUN 将軍」は観る気がないといい、その理由を説明した。
『デューン 砂の惑星PART2』はスティーヴン・スピルバーグ監督も「これまで観た中で最も素晴らしいSF映画の一つ」と絶賛し、これから始まる映画賞レースでも存在感を示すことは間違いないとみられている。『デューン 砂の惑星PART2』は今年一番の映画か? と聞かれたタランティーノ監督は、同作を観ておらず、今後観る気もないと率直に明かす。それは「デューン」は以前にデヴィッド・リンチが監督したバージョンがあるからなのだとか。
「僕はそれを何度か観ている。あの物語をもう一度観る必要はない。スパイスワームを観る必要はないし、“スパイス”という単語をあんなに劇的に言う映画を観る必要はない」ときっぱり。「このリメイク、あのリメイクと次々と出て来る。『「デューン」を観た? 「リプリー」(Netflixのドラマ)を観た? 「SHOGUN 将軍」を観た?』と聞かれるが、僕の答えは全部ノー。『リプリー』なんて6、7バージョンくらいある。すでに何度もやっているのを、なぜまたやるんだ? 僕はあの物語を以前に2度観ていて、どちらのバージョンもあまり好きじゃなかった。だから3度目を観たいと思わない。別の物語をやるなら、それだけで興味を引かれるけどね」とリメイクへの嫌悪感を明かす。
「僕は1980年代に『将軍 SHOGUN』を観ている。13時間全部観た。それで充分。あの物語をもう一度観る必要はない。彼らがどうやったかにも興味がない。彼らが僕をタイムマシンに乗せて戦国時代へ連れて行こうが、興味がない。興味がないんだ。僕はその物語をもう観たのだから」と続けている。
ハリウッドにおけるリメイクの多さは長らく指摘されているが、ことヴィルヌーヴ監督の『デューン 砂の惑星』シリーズと第76回エミー賞で作品賞など歴代最多の18部門を獲得した「SHOGUN 将軍」に関しては成功例といえる。タランティーノ監督はリメイク作品への嫌悪感によって素晴らしい作品を見逃してしまっていると感じる映画ファンも、少なくないのではないだろうか。
ヴィルヌーヴ監督の『デューン 砂の惑星』シリーズ第3弾『デューン:メサイヤ(原題) / Dune: Messiah』は2026年の撮影開始が見込まれているほか、Maxの前日譚ドラマ「デューン:プロフェシー(原題) / Dune: Prophecy」は11月17日に米配信予定だ。「SHOGUN 将軍」に関しては、シーズン3まで制作が決まっている。(編集部・市川遥)
【関連情報】
・【画像】美しすぎる…『デューン 砂の惑星』主演のティモシー・シャラメ
・タランティーノ監督、酷評された『ジョーカー2』を大絶賛「オタクにクソ食らえと言っている」
・タランティーノ監督、『トイ・ストーリー』は3部作で完璧だから4は観ない
・エミー賞で歴史的快挙!「SHOGUN 将軍」キャスト単独インタビュー【まとめ】
・【ネタバレ】『デューン 砂の惑星PART2』のアレはどんな意味?7つのギモンを徹底解説
・『デューン 砂の惑星PART2』で全カットされた俳優たち ヴィルヌーヴ監督「苦渋の決断」