俳優の柳葉敏郎が15日、TOHOシネマズ日比谷で行われた映画『室井慎次 生き続ける者』の初日舞台あいさつに登壇。柳葉は「室井慎次は親友」と断言すると、ファンからの「ありがとう!」の大歓声に感極まり、目に涙を浮かべる一幕があった。イベントには、福本莉子、齋藤潤、前山くうが、前山こうが、筧利夫、真矢ミキ、松下洸平、本広克行監督も参加した。
本作は、『踊る大捜査線』シリーズで柳葉が演じた室井慎次を主人公に、過去の事件にも絡む新たな事件を描いた2部作の後編。故郷の秋田に帰り、犯罪被害者・加害者の子供たちと穏やかな暮らしをしていた室井(柳葉)の周囲で起きた事件の結末が描かれる。
前作『室井慎次 敗れざる者』は、10月11日に全国381館で公開されると、11月6日までの公開27日間で、観客動員数100万人を突破。ついに『踊る』シリーズの累計興行収入が500億円を超えた。
柳葉は満員の客席を見つめ「本日はありがとうございます。映画いかがだったでしょうか?」と問いかけると、会場からは大きな拍手が。柳葉は「すべてはここにいらっしゃる方々に支えられて出来上がった作品です」と登壇者に感謝を述べると「幸せな時間を過ごさせていただきました」と満面の笑みを浮かべる。
地元・秋田の映画館で作品を観たという柳葉。「まさか自分が生まれ育った場所で作品を作ってもらえるなんて、役者としてこの上ない幸せです」とかみしめると「家に大きな花も届いて、地元の人たちの愛情を改めて感じさせていただきました。うちのカミさんと映画を観に行ったのですが、不思議なことにカミさんが涙するところと、僕が涙する場面が違うんです。なぜなんだろうと考えたとき、自分は室井になって観ているんですよね」と完全に役と一体になっていたという。
そんな柳葉は、室井という役について「改めて格好いい男。27年間彼と付き合ってきて、いいことも、そうではないこともいろいろなことを僕に教えてくれました。でもそれって親友ならではですよね。この27年間の経験を柳葉敏郎の人生に活かしたい」と語ると「悔いなく室井慎次の人生を送ることができました」とすがすがしい表情で語っていた。
“最後の室井慎次”となる本作。本広監督は「今年2月にクランクインをして11月に公開。良く間に合ったなと思います」と安堵の表情を浮かべると、「(織田裕二が演じた)青島と室井さんがガッツリと『踊る』を支えてくれました」と感謝。
最後に柳葉は「自分にとって室井慎次は、嘘偽りなく大親友です。そしてここにいらっしゃる共演者の方々が室井慎次を支えてくれました。それはきっと皆さんに伝わっていると思います」と語る。「かつての室井慎次は信念を持ちながらも、それを達成することができなかった悔しさを持っていましたが、この作品を終えることによって、一つの小さな信念を通すことができました。皆さんも自分の環境のなかで、小さな信念を求めて幸せになってください。そして室井慎次は『敗れざる者』であり、『生き続ける者』であり、柳葉敏郎は幸せ者です」とメッセージを送ると、会場から「室井さん、ありがとう!」と大歓声が。柳葉はこらえきれず、目に涙を浮かべていた。(磯部正和)
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