映画『室井慎次 生き続ける者』主演の柳葉敏郎が16日、愛知県名古屋市のミッドランドスクエアシネマで行われた大ヒット御礼舞台あいさつに出席。同作を鑑賞した娘が、むせび泣きながら電話してきたというエピソードを告白した。この日は、共演の前山くうが・こうが、本広克行監督、亀山千広プロデューサーも来場した。
連続ドラマ「踊る大捜査線」(1997)シリーズから始まった「踊るプロジェクト」が、今年12年ぶりに再始動。『室井慎次 敗れざる者』に続く『室井慎次 生き続ける者』では、故郷・秋田県で穏やかに暮らしていた室井の周囲で起きた、殺人事件のてん末が描かれる。
柳葉は、「自分では27年間付き合った男ですので、皆さんにその気持ちが伝わってくれればと思います」とあいさつ。愛知在住のくうがは「実は先週先行上映で、ここミッドランドスクエアシネマで2回観ました。同じ場所で皆さんと会うことができて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです」と続くと、こうがも「僕たちの地元で柳葉さん、本広監督、亀山プロデューサーと一緒に舞台挨拶ができて、すっごく嬉しいです」とにっこり。劇場内から「かわいい~!」という声が溢れ、“父親”である柳葉も思わず「いい子に育ったな~」と目を細めて二人を見つめていた。
「柳葉と室井が重なるところはどこか?」と問われた柳葉は、「良く言うと信念を持っている、悪く言うと自分勝手なところでしょうか。室井は自分の思っていることに向かってひたすら突っ走っていく。ただ、そこには彼なりの正義がある。本作は今までの室井の環境が変わったとしても自分のゴールに向かって歩んでいる。そういった点が自分と重なる部分では」と分析する。
亀山プロデューサーは「柳葉敏郎の信念と室井慎次の信念は重なっていると思います。だから柳葉敏郎が面倒くさいんだと思います、室井慎次を演じてくれと言っても断られ、1年以上かかりました。絶対自分が納得しないとやらない。もう少し室井は融通が利く人だと思うんですけど(笑)」と本作出演に至るまでの経緯を含め、柳葉と室井の重なる点を明かした。
舞台あいさつではティーチインも実施。通常はスタッフが観客へマイクを届けるが、この日は、柳葉自身がマイクを持って客席を走り、観客に直接マイクを渡し、質問を受けるという斬新なスタイル。劇場内から「キャー!」と歓声があがる中、飛び出した質問は柳葉宛てはなく、くうが・こうがへの質問だと判明。柳葉は「俺へではないのか!」とガッカリし、会場は爆笑の渦に包まれた。
別の質問では、こうがが観客にマイクを運んで質問を受けることに。「室井家で食事のシーンが多かったが、何が一番美味しかったですか?」と質問されたこうがは、「コロッケが美味しかったです」と回答。くうがは「オムライスです」と答えたのに対して、本広監督と亀山プロデューサーは、このオムライスが過去作品に関係するアイテムだと強調。「踊る」シリーズの過去作も観直してほしいとアピールした。
柳葉は最後に「室井慎次という男と付き合って27年。自分にとってはかけがえのない存在で、今思うとこの仕事を断らなくてよかったなと思っています」とあいさつすると、実の娘とのエピソードを告白。「先行上映で、娘が観てくれました。電話があり、電話先の娘はものすごく嗚咽をしていたので、何があったのかと心配していたら、『お父さん、演じてくれてありがとう』という言葉をもらいました」と打ち明け、「亀山さん、本広監督、ありがとう。室井に教えてもらったことをこれからの糧にしていきます。室井という男の生きざまで感じた何かを皆さんの環境の中で活かして、時々室井を思い出していただければと思っています。ありがとうございました」と熱い言葉で締めくくった。(編集部・倉本拓弥)
『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』は全国公開中
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