女優ののんが20日、新宿ピカデリーで行われた映画『私にふさわしいホテル』完成披露舞台あいさつに田中圭、滝藤賢一、高石あかり(高ははしごだか)、堤幸彦監督、原作者の柚木麻子と共に出席した。「これまでわたしがやってきた役のなかで一番性格が悪い役でした」と語ったのんは「これから悪い役で天下を獲ります」と宣言していた。
本作は、『伊藤くん A to E』の原作などで知られる柚木麻子の小説を「SPEC」シリーズなどの堤監督が映画化。新人賞を受賞するも大御所作家・東十条宗典に酷評され、小説発表の場も得られなかった新人作家・加代子(のん)が、逆襲していく姿を描く。
のんは自身が演じた加代子に対して「すごく楽しかった。不運な状況でも屈強に立ち向かっていく姿はとても格好いい」と役柄に共感したことを明かし、「でも加代子はわたしがこれまでやってきた役のなかで一番性格が悪いと思います。すごく気持ちよかった」と笑顔を見せる。
田中は、加代子の大学の先輩であり、担当編集として彼女の根性と作家としての可能性を認めている最大の理解者である、大手出版社のエリート編集者・遠藤役で出演。劇中のシーンを振り返った田中は「加代子が気持ちをぶつけるシーンはすごい長ゼリフだったのですが、難しいシーンなのに完璧で『スゲー』って思いました」とのんを絶賛。
また滝藤は、加代子に原稿を落とされたことを恨み、出版業界で生きていけないように彼女を追い詰めていく因縁の相手にして、出版業界を牛耳る大御所作家の東十条宗典役で出演。「のんちゃんが演じた加代子がすさまじく、悪役の僕が可愛らしく見えるかもしれません」と独特な表現でのんの芝居を評価する。
共演者から演技を絶賛されたのんは「わたしはずっとインタビューなどでも『性格の悪い役をやりたい』と言っていたのですが、なかなか出会えなかった。やっと来たかと思いました」といたずらっぽい笑顔を見せると「これからは悪い役で天下を獲っていきたいと思います」と野望を口にして会場を沸かせていた。(磯部正和)
映画『私にふさわしいホテル』は12月27日より全国公開
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