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関ヶ原の合戦後、謎の怪物が人を喰う…WOWOW×松竹・松竹京都撮影所、初タッグのドラマ「I, KILL」製作決定

シネマトゥデイ 映画情報 2024年11月25日 8時0分

 WOWOWと松竹・松竹京都撮影所が初めてタッグを組むオリジナルドラマ「連続ドラマW I, KILL」(読み・アイキル)の製作が決定した。関ヶ原の合戦から30年後、人を喰う謎の化物が蔓延する世界を舞台にしたサバイバルスリラーで、脚本を映画『正欲』(2023)や『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(公開中)などの港岳彦らが、メイン監督をドラマ「ポケットに冒険をつめこんで」(2023)や映画『ゴーストマスター』(2019)などのヤングポールが務める。あわせてティザー映像と、未発表のキャストの後ろ姿などを収めた場面写真も公開された。2025年にWOWOWで放送・配信予定。

 海外マーケットも視野に入れた本作は、気鋭のクリエイターと伝統の松竹京都撮影所の一流職人スタッフがコラボレーションし、リアルな時代背景と舞台設定、ダイナミックな映像と迫力あるアクションを追求。極限状態に陥る恐怖のサバイバルドラマと、日本の伝統的な本格時代劇が融合した世界観の中で、大切なものを守るためにぶつかり合い、裏切り、葛藤する人々の姿を力強く映し出す。

 テーマは「生きる」(I kill/斬る)。天下分け目の戦い・関ヶ原の合戦から30年後。移り行く時代の中でようやく平和な世を取り戻しつつあった日本に、人を襲い、喰らう化け物が出現。「群凶(Gun-kyou)」と呼ばれるそれらに囲まれた極限の世界の中で、血の繋がらない娘トキを守るために立ち向かう一人の女性・お凛と、全てを失い絶望しながらも自らの生い立ちを知るべく旅をする男・士郎を描く。

 メイン監督のヤングポールは、映画『ゴーストマスター』でポルト国際映画祭最優秀作品賞を受賞し、レインダンス国際映画祭では「今注目すべき7人の日本人インデペンデント映画監督」の一人に選出されるなど、スタイリッシュな映像表現を国内外で高く評価されている。もう一人の監督として、松竹京都撮影所でキャリアをスタートさせた服部大二が参加。脚本には港のほか、新進気鋭のばばたくみ、川滿佐和子が名を連ねる。「群凶(Gun-kyou)」と呼ばれる化け物をはじめとする特殊造形を担当するのは、『シン・ゴジラ』、『シン・ウルトラマン』、『シン・仮面ライダー』などに携わってきた百武朋。美術を『最後の忠臣蔵』(2010)と『燃えよ剣』(2020)で日本アカデミー賞最優秀美術賞を受賞した原田哲男が担当する。

 ティザー映像は、150年続いた戦乱の世が終結し、平穏を取り戻したかに見えた日本を襲う未知の恐怖を収めたもの。本映像には本篇映像の他にソニーPCLの協力のもと、バーチャルプロダクション技術を用いたパイロット版の映像も一部使用している。スタッフのコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)

脚本:港岳彦

 そのアイデア自体は、あちこちで、何度か耳にしてきたものでした。−−おもに笑い話として。実際に、映像化されたものもあったのかもしれません。ですが、思いつきレベルの雑談ならともかく、そのアイデアをふくらませて、大がかりな長編に仕上げようと目論む人たちがいるとは思いませんでした。「“それ”がああなって!こうなって!こんなことにもなっちゃって!」「ぜったい世界と勝負できると思うんですよ!」と、ガンギマリの目でプレゼンするヤングポール監督を見ながら、どうやってこのヤバい人から逃げようかと考えていたのに、気づくと大学の先生による“それ”の講義に強制参加させられ、監督のお気に入りだという“それ”の DVD を押し付けられ、いつしか若き優れた脚本家たちも巻き込まれ、あっと驚く錚々たるキャストの方々が集結していたのでした。「正気か?」の連続でしたが、脱稿した頃には、ぼくも彼と同じ目をしていました。やりました。時代劇×ゾンビ 大巨編どうか、ご期待ください!!!

監督:ヤングポール

 本気の人間が集まった結果、、、ヤバい作品が生まれつつある。初めて見る独自なジャンルの様でいて、しかし歴史に裏打ちされた堂々たるエンタメ感もあるという奇跡的な掛け算が成立している、と思う。現在撮影中ですが、画面から漲るパワーが半端ない。これは、面白いです。

監督:服部大二

 ゾンビ×時代劇×サバイバルホラー。テーマは「生きる」。この作品をオファーされて引き受けなかったら、監督になった意味がないと思った。野心的な作品を創り続ける「WOWOW」と世界が注目する鬼才「ヤングポール」、その2つと本格時代劇を創り続ける「松竹撮影所」を融合させるのが私の役目だった。誰も見たことのないファンタジーを創作するという意味では、ゾンビも時代劇も同じである。私の持っている僅かな時代劇の経験と知識を、太秦のスタッフと共に、ゾンビ部、アクション部と共に、この作品において全力を持って発揮させる所存である。撮影は過酷である。毎日が衝撃である。「I KILL」の撮影は初体験の連続であり、スタッフ・キャスト全員の精神と体力を限りなく消耗させる。だが、誰も弱音を吐かない。気力は充実している。早く「I KILL」を世界に届けたい。その一念である。

株式会社WOWOW/コンテンツプロデュース局ドラマ制作部チーフプロデューサー・山田雅樹

 今回、WOWOW と松竹・松竹京都撮影所が”タッグ”を組んで、日本発の新たなオリジナルドラマシリーズを作ることに挑戦しています。伝統的な京都の「時代劇」と海外的な「サバイバルスリラー」というジャンルを掛け合わせた新たな世界観と本格的な描写でもって日本のみならず海外の視聴者にも届く作品にしたいと願っています。
時代劇の聖地である京都で、ヤングポール監督をはじめ東京のクリエイターと時代劇の職人スタッフの圧倒的な熱量のコラボレーションで現場では計り知れない化学反応が起きています。「生きる」ことへの執念と逞しさ。そして、生々しさと狂気、さらに、その先にある美しさを描き、今のこの混沌とした世界を生きる人々の心を揺さぶる作品にしたいと思います。さらに、注目のキャスト情報は追って発表しますのでぜひ、ご期待ください。

松竹株式会社/映像企画部テレビ企画室プロデューサー・岡村紘野

 本作のテーマは「生きる」です。シンプルですが奥深さがある命題です。それぞれの登場人物がそれぞれの問題と向き合い、物事が思う通りに行かない中で、もがき苦しみながら生きようとします。そこにドラマが生まれます。サスペンススリラーでありながらホームドラマでもあります。愛おしいほどの家族愛が根底にある作品です。ワンカットワンカットを、丁寧に心を込めて撮影を重ねました。日本の京都で作ったこの作品が、一人でも多くの方々に届くことを願っております。

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