俳優ジョージ・クルーニー&ブラッド・ピットが共演した映画『ウルフズ』の続編製作が中止となった。監督・脚本を務めたジョン・ワッツが、製作中止の経緯をDeadlineに明かしている。
『ウルフズ』は、一匹狼のもみ消し屋(通称フィクサー)同士が、同じ事件の現場で遭遇したことから、予想外のトラブルに巻き込まれていくクライムアクションコメディー。プライベートでも親交の深いジョージとブラッドが、『バーン・アフター・リーディング』(2008)以来およそ16年ぶりに共演したことも話題になった。
米Appleが製作した同作は、ソニー・ピクチャーズ配給で大規模な劇場公開が予定されていた。しかし、Appleが急きょ公開方針を変更し、一部劇場で1週間限定上映した後、自社のストリーミングサービス「Apple TV+」で配信されることに。公開規模縮小の影響で、日本では劇場公開自体が中止となってしまった。
ワッツ監督は、Deadlineにコメントを寄せ、製作中止について自らコメントを発表。ワッツ監督は、Appleの好意的な反応を受け、続編の脚本執筆を始めていたが、劇場公開から配信に切り替えた話は寝耳に水だったといい「私に何の相談や説明もなしに決まっていました」と明かす。ワッツ監督が公開方針の変更を知ったのは、公式発表される1週間前だった。
Appleの対応にショックを受けたワッツ監督は、続編企画を公表しないように要請したという。しかし、Appleはそれを無視して続編の情報をプレスリリースで発表。ワッツ監督は続編の開発費を返金し、企画から降板した。「真実を言うと、続編の製作中止はAppleが決断したのではありません。私が決断したのです。クリエイティブ・パートナーとして、彼らはもう信用できない」とワッツ監督はAppleを強く批判している。
作品自体の評価は高く、Apple TV+配信の長編映画で最大の視聴回数を記録。ワッツ監督は「ブラッドやジョージーたちと仕事をするのは楽しかったです。彼らとなら、喜んでまた一緒に組みたい」と再タッグへ意欲を見せている。(編集部・倉本拓弥)
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