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森且行、SMAP5人へ「僕の宝物」思い明かす!伝説の断髪式秘話も

シネマトゥデイ 映画情報 2024年11月27日 7時7分

 1991年にアイドルグループSMAPとしてCDデビューを果たした森且行。その5年後、オートレーサーになるためにSMAPを脱退し芸能界を引退した後は、幼少期から「憧れのヒーロー」だったオートレーサーとしての人生を邁進。2020年には念願だったSG日本選手権で優勝し日本一になったが、その2か月半後には、レース中の落車により選手生命が危ぶまれるほどになった。それでも不屈の精神でレースに復帰した森の3年間を追ったドキュメンタリー映画『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』が11月29日に公開される。「僕にできるのはオートレースしかない」と断言する森。なぜそこまで彼はオートレースにこだわるのだろうかーー熱い胸の内を語った。

SMAPの5人と過ごした時間は「僕の宝物」

 1997年にオートレーサーデビューしてから27年の歳月が流れた。現在森は50代だが「とにかくオートレースが大好きなんです」と少年のように目を輝かせる。映画のなかでも、兄と共に幼少期からオートレーサーに憧れを抱き、自分自身の「ヒーロー」だと断言する。

 それほどにまで熱い思いを抱いていたオートレーサーという職業。しかし森はSMAPの一員としてアイドルという仕事を始める。そこにはいろいろなタイミングがあった。「中学卒業時のオートレーサーの試験には身長制限(170センチ以下)があり、受けることができませんでした。その後、身長制限が175センチに変更されたのですが、今度は年齢的な問題もあった。あのとき受けるというのはある意味で必然だったんです」。

 さらに森は「5人(中居正広、木村拓哉、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾)と出会えたからこそ今の僕がある。オートレーサーになってからも、芸能界で培ってきたメンタルが、絶対的に役に立っている」と断言すると「一緒に過ごした時間は僕の宝物。あの時間がなかったら、本当にオートレーサーになれていなかった。それだけ大切な時間でした」と胸を張る。

心無いヤジ、最初は気になったが……

 強い思いで挑んだオートレーサーの道。森は「デビュー戦はものすごいファンの方が来てくれました。その数に圧倒されたことを覚えています」と振り返ると「こんなに応援してくれる方がいるんだから、絶対に勝たないとダメだというプレッシャーがすごかった」と語る。結果は好スタートを決めると見事1着でゴール。森の夢が一つ叶った瞬間だった。

 しかしデビューした当時はつらいこともあった。その一つは心無いヤジ。「『死ね』なんて言われることはしょっちゅうありました。やっぱり芸能界からこちらの世界に来たので、生半可な気持ちだと思われていたんでしょうね。落車などすると『芸能界に戻れ!』とか『お前は歌っていろ!』なんてことはよく言われていました」。

 アイドルとして華々しい舞台にいた森。そういったヤジは想定していなかった。「最初は気になりましたよ」と笑うと「でもそんなことでくじけてはダメだという思いもあったので、ヤジをくれた人を絶対に見返してやろうという気持ちで挑みました。新人王を獲得して、25期のなかでチャンピオンになると、徐々に認めてくれる人も増えてきたような気がします」と勝負の世界、やはり勝つことが一番だと実感したという。

中居正広からのメールで「頑張るしかない」

 その後、紆余曲折ありながら、2020年11月、森が46歳のとき、SG競走である第52回日本選手権オートレースに優勝し、最高の瞬間を味わった。しかし、「好事魔多し」とはよく言われるが、2021年1月にレース中の落車で救急搬送。選手生命どころか命も危ぶまれるほどの怪我を負ってしまう。

 まともに歩けるようになるかどうかすら分からず、森はレーサー復帰を諦めなかった。当時を振り返り「ちょうどコロナ禍だったんです。誰もお見舞いに来ることができない状況が良かった。外出もできないし、本当にリハビリに集中することができたんです」とプラスに捉える。さらに「歩けないかも」と言われていた足が動くようになったことで「できるじゃん」とつらいリハビリも楽しくなってきたという。

 とは言いつつも、映画のなかに映し出される森は、足もとても細くなり、リハビリする姿も過酷に映った。決してポジティブな気持ちだけでは乗り切れないような状況だったことは容易に想像できる。

 そんなとき治療やリハビリに立ち会ってくれた医師はもちろん、周囲の人々の励ましは、森の大きな力になったという。なかでも中居から「神様は乗り越えられないヤツには試練を与えない。だからお前は乗り越えられる」とメールをもらったときはグッときたという。

 「実は事故にあってすぐに中居君からメールが来て。そのときは、骨盤は粉々だし、背骨は折れているし、足の感覚もなく、本当にダメだと思ったので『ダメ』って返しちゃったんです。そうしたらさっき話したメールが来て。それじゃあ頑張るしかないなと思ったんです(笑)」。

 もう一つ、森がオートレーサーにこだわる理由について「僕はオートレースしか自信がないんです」と語る。だからこそ、復帰して走り続けたい。「爆弾を抱えているので、いつどうなるか分かりませんが、一生懸命楽しんで、もう一度日本一の舞台に立ちたいんです」。

伝説の断髪式!稲垣吾郎はいなかった

 映画の中には、たくさんの人たちの森への思いが詰まっている。みな森がオートレーサーとして復帰することを願っていた。森と同じレースで落車した新井恵匠選手も、森の復活レースを見て涙して喜んでいる。

 森自身「本当にたくさんの人に支えられて今の自分がある」と感謝を忘れない。そのなかでも、本篇中の節目節目で語られるSMAPのメンバーの言葉やエピソードは森の背中をいつも押してくれた。森がオートレーサーになると決断し丸刈りになる際も、皆が集まって断髪式を行った。

 森は「多分言い出しっぺは中居君。『どうせ丸刈りになるんだから、ちょっと頭からせてくれよ』ってね」と懐かしそうに語ると「実はあのとき、吾郎ちゃんだけいなかったんです。用事があったのかな。でも僕と吾郎ちゃんは同級生で、そういう関係。いなくても変な思いにならない。それでいいんです」と笑う。

 さらに事故からの復帰戦には、SMAPのメンバーカラーの星がデザインされたヘルメットをかぶってレースに臨んだ。「あの星を見ていると勇気が湧くんです。力をたくさんもらっています」。森がつぶやいた「5人がいなかったら今の僕はいない」という言葉。話を聞けば聞くほど、その絆の強さが、森を奮い立たせているということが実感できる。(取材・文・撮影:磯部正和)

映画『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』は11月29日公開

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