Netflixシリーズ「阿修羅のごとく」(2025年1月9日世界独占配信・全7話)完成報告会が2日、都内で開催され、四姉妹を演じる宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すず、八木康夫プロデューサーが出席。向田邦子の伝説的な作品に出演する上でのトークを展開した。
本作は、脚本家・向田の傑作と呼ばれた昭和を代表する家族劇を、是枝裕和監督でリメイク。年老いた父の愛人問題をきっかけに大きく揺らぎ、四姉妹それぞれが抱える葛藤や秘密が次々とあらわになる中、対立し、感情をぶつけ合いながら、共に進んでいく姿を描く。夫を亡くし、活け花の師匠として生計を立てる長女・綱子を宮沢、会社員の夫や子どもたちと一見平穏に暮らす、専業主婦の次女・巻子を尾野、図書館で司書を務める、恋愛に不器用な三女・滝子を蒼井、喫茶店のウエイトレスで、ボクサーの卵と同棲する四女・咲子を広瀬が演じる。
世代を代表する女優陣が登壇し、華やかな雰囲気の中、この日は都合で出席できなかった是枝監督からビデオメッセージが届く。是枝監督は「日本のホームドラマの頂点である『阿修羅のごとく』。いつかその時代の一番の女優たちと撮ってみたいと思っていた中、八木さんからお話をいただき素敵な出会いになりました」とコメントを寄せると「会場の4人を観ていただければわかると思いますが、宮沢さんと尾野さんだけでは収集がつかなくなってしまう。それを蒼井さんが上手くまとめていただく感じ。そしてすずが一番しっかりしていました」と現場の雰囲気を伝える。
それを聞いた宮沢は「本番以外ずっとしゃべっていて、なかなか(撮影が)終わらないんです。すると優が『終わらないから!』とまとめてくれる。わたしは、きょうだいがいないのですが、実の妹ができたような気持ちでした」と撮影を振り返る。
続けて蒼井が「セットの中じゃなければいいのですが、セット内でもずっとおしゃべりをしていて収集がつかないことがありました」と苦笑いを浮かべ、「18分間、ずっとふざけ続けるなんてこともありましたよね、お姉さま方は」とチラリ。蒼井の発言に宮沢は「あれは本番に向けての空気作りなんですよ」と笑いながら発言し、蒼井が大笑いするといった仲睦まじい様子も見られた。
とにかく笑いが絶えない現場だったようで、蒼井が「撮影が楽しすぎて、ずっと続けばいいのにと思っていました」と語ると、広瀬も「もうすぐ配信になりますが、離れていってしまうのが寂しいほど愛おしい作品です」としみじみ。
是枝監督も「その時代の一番の女優たち」と言っていたように、出演者たちも共演は大きなモチベーションになっていたようで、宮沢が「向田邦子さんの脚本、しかも『阿修羅のごとく』ということで緊張感はありましたが、こんなキャスティングが実現するんだと夢のような思いでした」と前向きにオファーを受けたことを明かすと、蒼井も「キャストを聞いて『本当にわたしでいいんですか?』と聞いてしまったぐらい」とオファーを受ける大きな理由の一つが共演者たちだったと語った。
八木プロデューサーは「ホームドラマの最高峰の脚本を、現代のトップ女優4人が演じ、世界の是枝監督が演出。これ以上のドラマはないと思っています」と自信をのぞかせていた。(磯部正和)
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