『DUNE/デューン 砂の惑星』『ブレードランナー 2049』といったSF大作を手がけてきた鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、『スター・ウォーズ』シリーズを撮ることに興味がないという。ポッドキャスト番組「The Town with Matthew Belloni」に登場したヴィルヌーヴ監督が、過去のエピソードを交えながらその理由を明かしている。
10歳の頃から『スター・ウォーズ』に夢中になっていたというヴィルヌーヴ監督は、「『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』は人生で最も期待していた作品です。数えきれないほどスクリーンで観ましたから。『帝国の逆襲』で衝撃を受けました」と作品愛を語る。
では、なぜヴィルヌーヴ監督は自ら『スター・ウォーズ』を手がけようとしないのか。「問題は、1983年に公開された『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』です。あの作品で全てが脱線しました」と打ち明ける。
「長い話になりますが、15歳の頃、私は親友とロサンゼルスへ向かい、ジョージ・ルーカスに会いに行きました。私たちは、イウォークに怒っていたんです。それが、(シリーズを)子供向けのコメディーに変えてしまった……。『スター・ウォーズ』は独自の神話として結晶化し、独断的となってしまった。(誰でも作れるような)レシピ化して、何の驚きもない。今、『スター・ウォーズ』を監督しようとは全く思っていません」
ヴィルヌーヴ監督が怒りをあらわにしたイウォークは、惑星エンドアで暮らす毛むくじゃらの生物。エンドアの戦いでは、反乱同盟軍を部族に迎え入れ、帝国軍との地上戦を制した。シリーズファンの中には、イウォークを否定する声も多く、キャラクターを巡り論争が巻き起こった。
ちなみに『スター・ウォーズ』の監督に興味がないヴィルヌーヴ監督は、もう一つの巨大SFシリーズ『スター・トレック』について興味を問われると、「私はトレッキー(注:熱狂的な『スタートレック』ファン総称)ではない」と即答している。
ヴィルヌーヴ監督が手がけた『DUNE』シリーズは現在、第3弾の企画が進行中。原作小説の続編「デューン 砂漠の救世主」がベースになると言われており、ヴィルヌーヴ監督は第3弾が自身にとっての最後の『DUNE』になることを示唆している。(編集部・倉本拓弥)
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