千葉・幕張メッセで開催中の「東京コミコン2024」アンバサダーを務める俳優・斎藤工が8日、自身が主催するスペシャルステージに登場。ゲストとして、映画監督の樋口真嗣監督、アニメーターの前田真宏を招き、3人がタッグを組んだ映画『シン・ウルトラマン』(2022)を振り返った。
樋口監督は2016年公開の『シン・ゴジラ』で監督と特技監督を、『シン・ウルトラマン』でも監督を務めた。斎藤は『シン・ゴジラ』に第1戦車中隊長役で出演し、『シン・ウルトラマン』ではウルトラマンに変身する主人公・神永新二役で主演。樋口監督は、斎藤をウルトラマン役に抜てきした理由について「一緒にご飯を食べた時に、視点をたくさん持った人という感じがしたからです」と改めて明かす。
また、樋口監督は斎藤の容姿に惹かれたといい「“目”をいっぱい持っている……客観的に見ている感じがあって、この人は普段からそう(ウルトラマン)なんじゃないかって思った」と話す。斎藤も「実は僕、初代ウルトラマンは子供の頃に見ていなかったんです。うちはテレビジョンがなかったので」と親の教育方針(シュタイナー教育を推奨)からテレビが見られなかった少年時代を回顧。父親は映像関係の仕事をしていたというが、娯楽を子供に見せることに制限をかけていたのだそう。
ウルトラマンについて斎藤は「全部後追いで観ていきました」と話す。だが、これも父親の仕事の影響で、フィギュアは豊富に持っていたといい「自宅にウルトラマンや怪獣のフィギュアはたくさんあったので、そのフィギュアでいろんなストーリーを自分で作っていったのを覚えています」と話す。「だからこそ、成田(亨)さんや、前田さんのデザインワークと仕事でご一緒できるのは、夢のような時間でした」と『シン・ウルトラマン』のデザインに携わった前田の仕事にも尊敬の念を示した。
『シン・ウルトラマン』で印象的だったシーンを聞かれると、斎藤は山本耕史が演じた外星人第0号メフィラスとウルトラマンの死闘のシーンを挙げた。「山本耕史さんの変身シーンや、そしてその後の戦い方に樋口さんのこだわりを感じたんです。そこで使用されたロケーションがとても素晴らしくて……」と工業地帯での両者の戦いを懐かしそうに振り返る。工業地帯のロケ地は、斎藤も以前から目をつけていた場所だったといい、樋口監督が「絶対入れなかった場所だけど、ウルトラマンで初めて入れた」と胸を張ると嬉しそうな表情を見せ、斎藤も「僕も何回か外から見学したことがある場所だった」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)
「東京コミコン2024」は12月8日まで幕張メッセで開催中
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