俳優・竹野内豊が主演を務める映画『雪風 YUKIKAZE』の製作が10日に発表され、ファーストカットと、製作中の本編映像を使用した特報映像が公開された。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントとバンダイナムコフィルムワークスの共同配給で、2025年8月の劇場公開を予定している。
映画『雪風 YUKIKAZE』は、実在した駆逐艦「雪風」を題材に、太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を懸命に生き抜いた人々の姿とその運命を描く物語。脚本は『真夏のオリオン』(2009)、『空母いぶき』(2019)などの長谷川康夫、監督は山田敏久が務める。
小型で軽量、高速で小回りの効く駆逐艦は、太平洋戦争においては、戦闘及び艦隊護衛に加え、兵員や物資の輸送、上陸支援、沈没艦船の乗員救助などに駆り出され、数々の過酷な戦場で活躍し沈んでいった。主力だった甲型駆逐艦38隻のうち、激戦を生き抜き、沈むことなく、ほぼ無傷で終戦を迎えたのは雪風のみ。
また、戦いの中において、敵の攻撃で海に投げ出された他艦の兵士たちを、時には敵味方関係なく救い続け、さらに戦後は復員船として航海を繰り返し、約1万3,000名を日本に送り返す。その後も賠償艦として連合国側に引き渡され、再び駆逐艦としての役割を果たした。大阪万国博覧会が開かれた1970年、日本の戦後復興を見届けるように、異国にてその姿を消したとされる“伝説の不沈艦”を、史実に基づいたフィクションとして甦らせる。
竹野内が演じるのは、雪風の艦長・寺澤一利。様々な資料を基に生み出されたオリジナルキャラクターとなり、常に冷静に指示を下し、時には型破りな判断で激戦をくぐり抜ける、リーダーシップと武士道を信念に携えた、いわゆる一般的な軍人像とは一線を画す、澄み切った人間性を持つ人物として描く。
2024年5月から6月に撮影を終え、現在は日本が終戦80年を迎える2025年の夏を目指してポストプロダクション中。主演の竹野内は「戦争を経験していない自分が史実に基づく人物を演じることは、様々な不安もありましたが、気を引き締めて役に挑みました。2025年に日本は終戦80年を迎えます。昨今、残念ながら戦争を身近に感じる時代になり、変わりゆく日本の景色の中で本作が世に送り出されることにも必ず意味があるのだろう、と信じたいです。平和な未来を築き、美しい日本を守ってゆくには、私達は何を想い、何を大切にしていかなければならないのか。この映画が一人ひとり、少しでも多くの皆様方の心に届き、考えるきっかけになれば幸いです」とコメントを寄せている。(西村重人)
映画『雪風 YUKIKAZE』は2025年8月全国公開予定
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