主演を務める2025年度NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の放送を間近に控える俳優の横浜流星。そんな彼にとって飛躍の年となる2025年に向けた意気込みを語るとともに、自身が尊敬する俳優であり、新作映画『正体』で共演した山田孝之への思いを語った。
2009年にデビューした横浜は、2014年の特撮ドラマ「烈車戦隊トッキュウジャー」で注目を集め、2019年のドラマ「初めて恋をした日に読む話」で大ブレーク。その後も『流浪の月』『ヴィレッジ』『春に散る』といった映画やドラマ作品などで、俳優としての経験値を着実に積み重ね、いよいよ2025年には、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の主演を務める。
まさに飛躍の年だといえる2025年だが、横浜にとってどのような年になるのだろうか。「大河ドラマの撮影も、今年の6月からはじまっていますし。それが1年半続くので、2025年はそれに捧げる年になると思います」と語る横浜。大河ドラマの撮影を通じて楽しみにしていることとして、「大河ドラマは1年を通して一人の人生を描きますが、今回は吉原を舞台にしているため、ほかの大河ドラマよりも出演者が多い。だからたくさんの方とお芝居できることになるので、いろいろなものを吸収したいと思います。芝居だけではなく、人間力もしっかりと高めたいと思っています」と期待を寄せている。
現在は、染井為人の同名小説を『ヴィレッジ』の藤井道人監督が映画化した『正体』が公開中となる。横浜が演じるのは、5つの顔を持つ指名手配犯・鏑木。343日にわたって、警察との逃亡劇を繰り広げる鏑木とは凶悪犯なのか、無実の青年なのか……という物語だ。常々、インタビューなどでも尊敬する俳優として山田孝之という名前を挙げてきた横浜だが、逃亡者となった鏑木を追う刑事・又貫役を山田が演じることとなり、念願の共演を果たすことができた。
「山田さんと共演できたこと、一緒にお芝居をやらせていただいた瞬間は幸せな時間でした」と語る横浜。「共演シーンはそれほど多くなかったですが、山田さん演じる又貫がいるからこそ、捕まったら終わるといった、切羽詰まった空気とか、そういうものがより深いところまで考えられた。そして山田さんと対峙(たいじ)する場面は、役としてもそうですが、自分自身の心も武者震いしました」と述懐。
山田演じる刑事の又貫は、鏑木を執拗(しつよう)に追い続ける執念の刑事だが、その心の奥底に葛藤を抱えるという複雑さを持つキャラクターとなっていた。「鏑木という人物は、どんどん感情を放出させたりとか、悪役として大きな存在に見せたりすることもできたと思うんですが、山田さんは葛藤の部分が大きいというか、内側にフツフツしたものを感じさせるようなお芝居をされていました。分かりやすいお芝居をしようと思えばできるのに、山田さんだからこその表現をされていた」と語る横浜。「何かを分かりやすく説明しているわけではないのに、その感情が鮮明に伝わってくるというのは、本当に学びでした。役を生きる上で、そういう部分も大事にしないといけないなと思ったし、本当にご一緒できてよかったです」とコメント。その表情からも、俳優として充実した日々を過ごしている様子がうかがい知れた。(取材・文:壬生智裕)
映画『正体』は全国公開中
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