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佐藤健、世界が認めるアクションに妥協なし『はたらく細胞』プロも認める凄み

シネマトゥデイ 映画情報 2024年12月14日 7時32分

 俳優・佐藤健の主演最新作『はたらく細胞』(全国公開中)でアクション監督を務めた大内貴仁が、『るろうに剣心』シリーズでもタッグを組んだ、“戦友”と語る佐藤の妥協なき姿勢について語った。

 映画『はたらく細胞』は、清水茜の人気コミックと清水監修のスピンオフ「はたらく細胞BLACK」を原作に、人間の体内ではたらく、擬人化された細胞たちの活躍を描くファンタジー。細菌を“ぶっ殺す”ことに命をかける白血球[好中球]を演じる佐藤は、見た目こそ原作通りの全身白塗りというファンシーなビジュアルだが、体内に侵入した細菌や病原菌を相手に、『るろうに剣心』以上にアクロバティックなアクションを披露している。

 大内は、佐藤からの指名もあって本作に参加。佐藤との関係性について、大内は「『るろうに剣心』三部作を一緒にやって、その後『亜人』でも健くんに声をかけてもらいました。非常にありがたいと思いながらも、その理由を聞いたことはないんです。ただ、アクションに関して言えば、これまで数作品で厳しいシーンを共に乗り越えてきたので、マニアックな部分や細かい部分までお互いに追求できるような、戦友のような関係性があるんじゃないかなと思っています」と明かす。

 その理由は、作品にかける二人のストイックな姿勢が関係しているようだ。大内は「僕自身、健くんのアクションがかっこいいからといって、おざなりにワンテイクでオッケーを出すようなことはしませんし、彼もそれを理解しています。その先にある『もっと面白いアクション』『さらにすごいアクション』をお互いに求めているんです。僕はアクションに対して妥協はしたくないし、彼も絶対に妥協はしないので、そういう部分が通じ合っているのかなという気はします」

  「撮影現場でも、僕らアクション部と佐藤さんだけが『今のテイク、ダメだったね』となる場面があったりします。周りから『今ので十分かっこよかったじゃん』という雰囲気が漂っていても、そこは僕らしかわからない部分があって、佐藤さんも『もう一度やろう』としっかり受け止めてくれるんです」

 本作のアクションにかける佐藤の思いは真剣そのもの。シネマトゥデイのインタビューでも「アクションを本格的にやらないんだったら、僕がやる意味がないし、やる必要もないと思っていました」と語っていた。佐藤にとっては久々のアクションとなったが、大内はブランクを感じなかったという。

 「僕らは仕事なので日々アクションに触れていますが、佐藤さんは少し久しぶりだということで、初めての練習の時に『俺、けっこう動いていないからね』という感じだったんです。そこで徐々に体を作るために『まずはこの立ち回りを練習して動きに慣れていきましょう』という段階を踏んだんですが、いざ始めるとすぐに集中して、自然といつも通りに動いてる。その様子を見て、全然衰えていないなと実感しました。もちろん、体力だけはどうしても少しずつ上げていく必要があるので、その点は僕も注意しながらペースを調整しつつ進めていきました」

 さらに大内は、佐藤の俳優としての才能にも舌を巻く。「おそらく佐藤さんは、『佐藤健をお客さんに届ける』ことを第一に考えているわけではないと思います。お客さんが物語の中で感情移入したりするキャラクター……『はたらく細胞』なら白血球を届けたいという思いが一番にある気がします。そこから“その役を演じる佐藤健”としての表現が始まるというか。練習を重ねてアクションを完成させた上で、しっかりとお芝居を重ねてキャラクターを作り上げてる」

 「それに、しんどいといった理由で練習を休むようなこともしません。むしろ『もう少し練習したいので回数を増やせませんか?』と提案してくるくらいです。そうした姿勢からも、非常に高いところを目指しているのがわかるし、役者としてのストイックさと真摯な姿勢は尊敬しますね」

 香港、中国でスタントを学んだ経験を持ち、海外で活動する機会も多くなってきたという大内。その先で佐藤の評判を知る機会もあるといい「『るろうに剣心』は海外の人たちにもよく知られていて、当然、佐藤さんのことも知られています。彼自身がどれだけ意識しているかわかりませんが、アジアをはじめ、海外では、日本以上に“アクション俳優”として認識されている部分がある。だからこそ、抱えているプレッシャーも相当なものだと思いますし、彼も『もっとすごいものを』という使命感を抱えているように感じます」と明かす。

 「それは僕自身も同じなんです。『はたらく細胞』でも、佐藤健が動くというだけでお客さんが喜ぶことを目指しているわけではない。世界に見られても恥ずかしくないアクション作品を作ることを一緒に目指している。実際に彼がどう考えているかはもちろんわかりませんが(笑)。僕たちもその目標に向けて一緒に突き進んでいきたいと思っています」(編集部・入倉功一)

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