俳優の萩原利久と古川琴音が、日本画家・四宮義俊による初の長編アニメーション作品『花緑青(はなろくしょう)が明ける日に』(2025年全国公開)でダブル主演を務め、アニメ声優に初挑戦したことが発表された。発表に合わせて、ティザービジュアルと特報映像も公開された。
本作は、日本画家としての活動を軸に、新海誠監督や片渕須直監督など名だたる監督のアニメーション作品に参加し、ジャンルを超えて様々な創作活動を行ってきた四宮が、自身のオリジナル脚本で描く長編アニメーション。フランスの気鋭スタジオ Miyu Productions との日仏共同製作でもあり、昨年の「第77回カンヌ国際映画祭マルシェ・ドゥ・フィルム『Animation Day』アヌシー・アニメーションショーケース」にて、世界中のさまざまな制作段階にある5作品の1本に選出された。
物語の舞台は、土地立ち退きの強制執行が迫る創業330年の花火工場・帯刀煙火店。そこで育った若者たちと、幻の花火<シュハリ>をめぐる2日間の物語を描き出す。
共に今回がアニメ声優初挑戦となる萩原と古川は、瑞々しくも力強い演技で、キャラクターと作品にフレッシュな息吹を与える。萩原は老舗の花火工場「帯刀煙火店」の次男で、失踪した父親に代わり幻の花火を完成させようと奮闘する帯刀敬太郎役、古川は敬太郎の幼馴染で、地元を離れ東京で将来の道を模索している式森カオルを演じる。
ティザービジュアルは、立ち退きが明日に迫る帯刀煙火店で花火を作る敬太郎のもとを、東京から帰省したカオルが訪れ、2人が4年ぶりに再会するシーンを捉えたもので、繊細に描かれた美術の仕上がりも印象的。手を止めてカオルの方を振り向く敬太郎と、久しぶりの再会に戸惑うカオルの表情など、特報の映像美と共に、繊細なキャラクター描写にも注目だ。
萩原利久、古川琴音のコメントは以下の通り。(編集部・入倉功一)
映画『花緑青が明ける日に』は2025年全国公開
萩原利久
初めて声優のお仕事をさせていただき、とても新鮮でした。最初一人でアフレコをしていた時にはなかなか手応えを掴むことができず、監督の「OK」だけを頼りにしていたのですが、最終日に古川さんと掛け合いで収録させていただいて、一人で録っている時とは全く体感が違って。普段いかに周りの人や環境に支えられてお芝居をしていたのかと実感させられました。僕自身、最初に脚本やVコンテを拝見した時に「これは凄い作品になるんじゃないか」と感じましたので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。
古川琴音
四宮監督が構想から8年という長い年月をかけて育まれた、大切な作品に呼んでいただけたことがとても嬉しく、声優は初めてでしたが体当たりで臨ませていただきました。
声を録りながら、5年前のコロナのことを思い出していました。全国の花火大会をはじめ、伝統ある催事が次々と無くなっていくことを当時は憂いてばかりいましたが、今思えばそんな私の日常を支えてくれていたのが、現代のカルチャーを先導している日本のアニメでした。この作品は、日本画家出身の四宮監督がアニメで花火を描いた温故知新の芸術だと思います。その創作の一端を任せていただいたこと改めて光栄に思います。
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