漫画家・武田一義の代表作「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」が、長編アニメーション映画として、2025年12月5日に全国公開されることが、16日に行われた東映ラインナップ発表会で明らかになった。さらに、ペリリュー島のジャングルを描いたイメージカットと、特報映像も公開された。
2016年から2021年まで「ヤングアニマル」(白泉社)で連載された「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」は、太平洋戦争の激戦地ペリリュー島を舞台に、漫画家志望の兵士・田丸の視点から、若者たちが何を思い生きたかを描いた作品。登場人物は親しみやすい三頭身キャラクターでありながら、激しい戦闘や凄惨な場面が克明に描かれ、2017年に日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した。
昭和19年、夏。太平洋戦争末期のペリリュー島に漫画家志望の兵士、田丸はいた。そこはサンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた楽園。そして日米合わせて約5万人の兵士が殺し合う戦場だった。当時、東洋一と謳われた飛行場を奪取しようとする米軍の精鋭4万人。迎え撃つは「徹底持久」を命じられた日本軍守備隊1万人。祖国から遠く離れた小さな島で、彼らは何のために戦い、何を思い生きたのか。「戦争」の時代に生きた若者たちの記録が、終戦80年を迎える今年「超大作アニメーション映画」として全国公開される。
監督はテレビアニメ「妖怪ウォッチ」などの演出や「魔都精兵のスレイブ」の監督を手掛け、アニメーション映画の監督は本作が初となる久慈悟郎が務める。制作は「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」などのシンエイ動画と「ドッグシグナル」などの話題作に携わる新規気鋭の制作会社・冨嶽がタッグを組み、凄惨な戦場を生き延びようともがくキャラクターを描き出す。
原作者の武田は、西村ジュンジと共同脚本も手掛けており、映画化に向けて「脚本は原作ファンの皆様にも自信をもってお届けできるものになりました。今はスクリーンいっぱいに生き生きと動く田丸や吉敷ら、愛すべき登場人物たちに早く会いたい気持ちでいっぱいです」と映像化への期待を込めてコメントしている。原作者のコメント全文は下記の通り。(編集部・入倉功一)
原作・武田一義コメント
映画の制作には、私自身も監修とベテランアニメーション演出家の西村ジュンジ氏との共同脚本という形で関わらせて頂いています。
脚本の完成までに、本当に長い長い時間をかけました。
「ペリリュー」原作漫画は外伝を除く本編だけでも11巻、これをどのように映画に落とし込むか。
原作のすべてを入れようとして味気ないダイジェストのようになってしまうのは、原作者としても望まないことです。
原作の前半だけを丁寧に作りあげる案もありましたが、やはり物語的に少し物足りない。
そして何より原作だけでなく、この作品にはベースとなる史実ーー80年前の戦争があります。そこで生きた人々がいます。
様々なことに思いを巡らせた映画版『ペリリュー』の脚本は、原作ファンの皆様にも自信を持ってお届けできるものになりました。
今はスクリーンいっぱいに生き生きと動く田丸や吉敷ら、愛すべき登場人物たちに早く会いたい気持ちでいっぱいです。
今年の年末12月5日公開のアニメ映画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』
皆様、更なる続報をご期待下さい。
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