映画10作目で監督引退を公言している鬼才クエンティン・タランティーノは、引退作の製作を急ぐつもりはないという。Varietyが報じた。
2019年に監督9作目『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を完成させたタランティーノ監督は、次回作が10作目になる予定(※『キル・ビル』は続編と合わせて1作の扱い)。2023年、引退作が映画批評家を題材にした『ザ・ムービー・クリティック(原題) / The Movie Critic』になると報じられたが、後にタランティーノ監督は同作をボツにしている。
そんなタランティーノ監督は現地時間27日、映画評論家エルヴィス・ミッチェルとの対談のため、アメリカで開催中のサンダンス映画祭に出席。前作から引退作までの製作期間が空いていることについて、「製作は急いでいません」と回答し、現在は執筆活動に励んでいることを明かした。
タランティーノ監督が製作に着手しない理由の一つに、子供たちの成長があるという。「来月、息子が5歳になります。2歳半の娘もいます。アメリカにいる時は執筆をしていますが、(映画祭前に滞在していた)イスラエルにいた時はアッバ(=ヘブライ語で父親)です」
子供たちが何もかも理解できない中で、仕事に打ち込むのは「気が進まない」とタランティーノ監督。「少なくとも息子が6歳になるまでは、次回作に手を付けたくありません」と明かし、「そうすれば、彼も何が起こっているのか理解することができて、撮影現場にもいて、一生の思い出になるでしょう」と感情的になりながら語った。
タランティーノ監督曰く、現在は演劇の脚本を執筆しているという。「失敗作になったら、映画化はしません」としながら、同作が成功すれば引退作として映画にする可能性も残している。(編集部・倉本拓弥)
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