Netflix映画『新幹線大爆破』(4月23日配信)の監督を務めた樋口真嗣が、12日に都内で開催されたNetflixラインナップ発表会「Next on Netflix 2025」内のトークショーに出席。東京、青森間で新幹線を7往復させたという、驚きの規模の撮影について言及した。
本作は、1975年に東映が製作した、佐藤純彌監督のパニックサスペンス映画を、主演に草なぎ剛、監督に樋口真嗣を配してリブート。JR東日本新幹線総合指令所に入った一本の緊迫した電話。その内容は、東京行のはやぶさ60号に爆弾が仕掛けられており、新幹線の速度が時速100kmを下回ると即座に爆発するというものだった。犯人は、爆弾を解除するために身代金として1,000億円を要求。限られた時間の中、爆破を回避すべく奮闘する鉄道人たちのギリギリの攻防が繰り広げられる。
樋口監督は、1975年のオリジナル版が「50年前から大好きで、今でもずっと好き。人生で3本、映画を選ぶなら、そのうちの1本になる」と熱い思いを告白。Netflixサイドからオファーがあったときには「まさか」と喜びと共に驚きがあったというが、最も悩んだのが「50年前でも困難な題材だっただろうに、いまもう一度これをやるとなるとできるのか」という思いだった。
樋口監督は「まず犯罪の仕方が違う。(1975年版の)脅迫して身代金を要求するというのは今の時代はない。だいたいがオレオレ詐欺。どうやって今の時代に合った形にするのか……」と社会的な変化をあげると「決定的に違うのが、東京駅から出る新幹線の本数。いまや3分に1本は新幹線が発車する」と付け加え、根本的に前作とは同じにできないことに頭を悩ませたという。
しかし、逆にできることも増えた。それがJR東日本の特別協力。切符を購入した乗客が利用する以上、映画やドラマで鉄道を利用した撮影は基本的に不可であるという樋口監督だが「今回は特別ダイヤを組んでいただき、東京~青森間に専用車両を用意してもらったんです。しかも7往復。さらに運転手さんや車掌さんの所作なども、実際の職員の方々に指導してもらいました」と、リアリティを追求した驚きの撮影現場を振り返った。
また、通常は爆破シーンなどで使用するミニチュアについても「だいたいは実際の20分の1ぐらいのものを使うのが通常」と語った樋口監督。しかし本作では「6分の1サイズのものを使ったんです。しかも、走っている状態での撮影なので、大きくなればその分、スピードを出すために距離も必要。カメラも走らせなければならない」とその規模の大きさに感嘆しつつ回顧。そのシーンの撮影時には、どこからか情報を耳にした特撮関係者がこぞって見学に来るほどだったという。
樋口監督は「企画段階で無理だと諦めるようなことを本気で実現させてもらえた」とNetflixのスケールの大きさに感謝を述べると「いままでどの映画でも実演できないスケール、映像になっていると思います」と胸を張っていた。(磯部正和)
Netflix映画『新幹線大爆破』は2025年4月23日世界独占配信
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