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北野武監督、配信映画の違いに驚き 実験的新作『Broken Rage』編集で「60分という短さに」

シネマトゥデイ 映画情報 2025年2月5日 18時59分

 北野武監督が5日、都内で行われた Amazon Original 映画『Broken Rage』配信記念記者会見に出席。自身初となる配信作品を振り返り、手応えを明かした。イベントには、浅野忠信、大森南朋、白竜、國本鍾建も出席した。

 本作は、北野武監督初となる配信映画作品。自身が監督・脚本・主演を務め「暴力映画におけるお笑い」をテーマに制作。約60分の映画を前半と後半のパートに分け、前半では警察とヤクザの間で板挟みになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクションを、後半は前半と同じ物語をセルフパロディという手法をとってコメディタッチで描く実験的な映画だ。

 北野監督は「Amazonという会社のネット配信ということで、かなり実験的な映画を作らせてもらおうと思って、無理な企画をお願いしました」と経緯を述べると「撮影のときは、劇場映画と配信映画(の違い)とはまったく意識していなかったのですが、出来上がった映画を観たとき、エンターテインメントというのは、観る者、作る人の環境が変わると、これほど違うものになるのかと驚きました」と語る。

 さらに北野監督は「家でテレビを観ている感じで編集をはじめたら、60分という短さになった。映画館で観ると思っていたら、それぞれのシーンであと10秒は長くできたなと。そうするとこれまで撮ってきた映画の尺になる。撮影が同じでも編集で配信を意識しただけでこんなにも変わるんだと、焦って担当者に聞いたら『無理に伸ばすことはないです。これでOKです』と言われた」と無意識的に映画と配信映画の作り方の違いを感じていたという。

 約60分の実験的な映画となった本作。北野監督は「そうは言うものの、グレードとしてはすごいとは言いませんが、そんなにひどくない。お金払って観ても損したとは感じないと思う」と自信をのぞかせると「おかげさまでここにいる役者さんたちが本当に上手で、一生懸命演じてくれたので、どうにか映画としては形になりました」とキャスト陣を称賛する。

 北野映画常連である浅野と大森は共に「監督の前で笑い的なことをやることのプレッシャーたるや……」とコメディパートはかなりの緊張感があったことを明かすと、大森は「いつも監督の作品に呼んでいただけることが幸せ。プレッシャーはありましたが、現場での楽しく幸せな時間を噛みしめて撮影に挑みました」と振り返っていた。(磯部正和)

Amazon Original 映画『Broken Rage』は2月14日より Prime Video 世界独占配信

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