女優のデミ・ムーア(61)が、当時の美の基準を満たすために自分の体にやったクレイジーなことを「CBS Sunday Morning」に出演して語った。
デミが新作映画『ザ・サブスタンス(原題) / The Substance』で演じたのは、美と若さに取りつかれ、自分を痛めつけていく主人公。女性が置かれている状況をボディホラーというジャンルで描いたコラリー・ファルジャ監督は、その狙いについて「女性として、わたしたちは社会からどう見られているかで定義されている。つまり、わたしたちが自分自身に向ける暴力は、わたしたちを取り巻く暴力でもあるということ」と第77回カンヌ国際映画祭で語っていた。
そうした“暴力”はデミ自身、過去に自分に向けたことがあるものだといい、第2子スカウト出産直後に撮影した『幸福の条件』(1993)での経験を振り返る。「わたしはものすごいプレッシャーを自分自身にかけていた。痩せるようにと言われたりしたこともあったから。辱められたからかもしれないけれど、それを自分にやったのはわたし自身なの」
痩せるために家とスタジオを自転車で往復することにし、その距離は毎日60マイル(約97キロ)に上った。「撮影時、スカウトは生後5、6か月だった。わたしは彼女に夜中授乳して、まだ暗い中トレーナーと起きて、パラマウントの撮影所やロケ地まで自転車で行った。そしてまる1日撮影をする。普通は12時間ね。そして全てをまた繰り返す」
デミは「わたしが自分の体にやったことは、すごくクレイジーだし、すごくばかげている。でも当時は、そうするしかないと思っていたの」と続けていた。デミの体当たりの怪演が高く評価されている『ザ・サブスタンス(原題)』は米公開中。(編集部・市川遥)
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