「1日分の野菜は350g以上必要。」これは野菜ジュースのパッケージに表示されていることから、多くの方がご存知ですね。しかし具体的にはどのくらいか?実際に自分はどの程度食べているのか?を把握している人は少ないでしょう。また、これから迎える冬はサラダの摂取頻度が減ったり、野菜の価格が高騰したりと、野菜不足になりやすい時期です。
なぜ350gの野菜が必要か?
そもそもなぜ350gの野菜が必要なのでしょうか?それは厚生労働省から発表されている国民栄養調査(1995〜1997)のデータを元にした「栄養素摂取量と食品摂取量等との関連について」の分析結果にあります。※1
この中で、カルシウム、カリウム、ビタミンC、食物繊維の関係を検討し、各栄養素の目標量を分析した結果、野菜の必要量は350gが求められました。350gの内訳は緑黄色野菜が120g、その他の野菜が230gです。
※ここで言う野菜は、主な作用がエネルギー源となる果物・芋・豆類を除外します。
何をどれぐらい食べれば350gになる?
では、350gとは具体的にどのくらいでしょうか?目安は小鉢1皿で野菜が約70gです。つまり、1日5皿(70g×5=350g)食べていればクリアです。
野菜をたくさんに食べるコツは、①加熱してかさを小さくする、②汁物は具だくさんにする、③淡色野菜を何種類も揃えるより、種類が少なくても緑黄色野菜をとり入れる、④旬の野菜をとり入れることを挙げられます。こちらのコツを組み合わせ、例えば下記のような献立にできます。
<1日5皿以上の献立例>
朝:ご飯、メカブ入り納豆、きんぴらごぼう、小松菜と色々きのこのみそ汁
昼:あさりのオイルパスタ、エビとブロッコリーのサラダ、トマトのチーズグリル
夜:もち麦ご飯、牛肉とパプリカの甘辛炒め、ほうれん草の胡麻和え、白菜のうま煮、かき玉スープ
最初はカット野菜でも野菜生活をスタートしよう!
野菜の健康への影響はダイエット・便秘解消・疲労回復・生活習慣病予防・美肌・心の安定、挙げればキリがありません。特に健康に良いのは、抗酸化ビタミンが豊富な緑黄色野菜とファイトケミカルが豊富な香りの強い野菜です。旬の野菜は味も栄養価も一番良く、価格も安くなります。これからは白菜・大根・ほうれん草などですね。
一人暮らしまたは時短料理で済ませたいという方は、野菜を1皿付け足すことから始めてはいかがでしょうか。ドレッシングをかけてもいいからサラダを食べる、カット野菜を利用するなどまずはハードルを下げて摂取頻度を増やすことが大切です。
(テキスト: 松原 郁実)
※1 『厚生労働省』「健康日本21」http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/kakuron/1_eiyou/shiryo.html