妊娠中、便秘になりやすいのはなぜ?
多くの妊婦さんが悩む便秘。それには「女性ホルモン」が関わっています。
妊娠すると女性ホルモンのひとつ「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の分泌が活発になります。この黄体ホルモンは、妊娠の継続に欠かせない大切なホルモンですが、一方で、スムーズな排便に必要な「腸のぜん動運動」を抑制してしまう働きがあります。腸の動きが鈍ることで、便が排出されにくくなり、便秘を引き起こしてしまうのです。
その他、大きくなった子宮が腸を圧迫して便が通りづらくなること、つわりにより食事・水分摂取が少ないこと、運動不足なども妊娠中の便秘の原因と考えられています。
便秘を改善するための食べ物は?
① 食物繊維
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれ役割が異なります。
水溶性食物繊維は果物、海藻、こんにゃくなどに多く、水分を取り込み便をやわらかくします。不溶性食物繊維は、穀類、繊維質の野菜、きのこ、豆類などに多く、便のカサを増やして腸の動きを活発にします。
水溶性・不溶性どちらも摂ることが便秘改善のポイントです。わかめときのこの汁物、こんにゃくと根菜の煮物など、バランス良くとりましょう。
② 発酵食品
発酵食品である味噌、ヨーグルト、チーズ、キムチ、ぬか漬けなどに含まれる「乳酸菌」は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整え、便秘改善をサポートします。
ご飯のお供にはキムチやぬか漬け、フルーツにはヨーグルトをかけるなど、食事に取り入れましょう。
③ 植物性の油
妊娠中、体重増加を気にして油の摂取を控える方もいらっしゃるかもしれませんが、便が腸内をするすると滑り出てくるためには、適度な油が必要です。
サラダやパンにはオリーブオイルや亜麻仁油をかけたり、おやつにはアーモンドやくるみなどを選ぶのもおすすめです。
朝コップ1杯の水で、便秘改善!
朝起きたら、コップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。腸のぜん動運動が刺激され、排便を促してくれますよ。水分不足は便を固くするため、便秘にとって大敵です。水以外にも、牛乳や豆乳、麦茶やハーブティーなどで、こまめに水分補給ができると良いですね。
快適なマタニティーライフを送るためにも、毎日の食事にほんの少しの工夫を加えて、便秘を予防・改善しましょう!
(テキスト: 管理栄養士 板垣 好恵)