体に嬉しい!だけど注意が必要な場合もある!?
数あるスパイスの中でも身近なものは唐辛子や生姜、胡椒、シナモンなどではないでしょうか。これらはどれも体を温める働きがあるとして知られています。
ごく普通に口にする分には問題ないのですが、特に刺激の強い唐辛子には注意が必要な場合があります。
カプサイシンの摂りすぎには要注意!
唐辛子の辛み成分はカプサイシンというものによります。カプサイシンは水には溶けにくいのですが、油やアルコール、酢には溶けやすいという性質があります。(※1) そのため、炒め物や揚げ物、マリネなどに使用すると辛みを感じやすくなります。
カプサイシンは口に入ると舌や胃を刺激することで食欲が増します。そして体内に入ると体が熱くなったり汗をかきやすくなったりします。このことにより、巡りがよくなり、冷え予防やダイエットに役立ちますが、食べすぎには注意が必要です。
カプサイシンを大量に摂ると粘膜が傷つきやすくなります。粘膜は胃や食道、肛門など全身にあるため喉がひりひりする、排便するときに痛みや熱を感じるなどといったことも起こりうると考えられます。
刺激が強いと美容には悪い?
適度のカプサイシンで体が温まる、食欲が増すというのは良いのですが、胃を荒らしてしまったり、粘膜を傷つけたりしてしまったりするのは、体内が炎症をおこしているということです。
胃は食べたものを分解し、吸収させるための大切な器官です。せっかくとった良い栄養も胃や腸が不調ではうまく吸収されないこともあります。その結果、お肌のトラブルや便秘・下痢など排便リズムが乱れてしまう可能性もあります。
また、辛みを紛らわせようと、ごはんやパンなどをいつもよりたくさん食べすぎてしまうことも考えられます。
辛みの耐性は人それぞれ
辛いものが得意な人、苦手な人がいるように、耐性は人それぞれです。カプサイシンは代謝アップに良いから・・・と無理して食べすぎるとかえって体の不調を招くこともありますので、無理なくおいしくいただける範囲にしましょう。
唐辛子のみならず、スパイスの中には摂りすぎに注意が必要とされているものがいくつもあります。
スパイスは食材の臭みを抑えたり旨味を引き出したりするものです。食事を楽しむための名わき役としてポイント使いすることをオススメします。
(テキスト: 管理栄養士 磯村 優貴恵)
(※1) 『農林水産省』 「カプサイシンに関する情報」 http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/capsaicin/ (2017.08.13アクセス)