必要な栄養素は大人も子供も同じ!?
中高生は身体も伸び、性差も出くる時期なので、特別な栄養を摂らせる必要があると思われがちですが、基本的には必要となる栄養素は大人と変わりません。成長するためには、エネルギー源である炭水化物、タンパク質、脂質、そして体の調子を整えるためのビタミン、ミネラル、食物繊維等が欠かせません。
食卓には主食(炭水化物)であるごはんやパン、メインのおかず(タンパク源)である肉や魚、豆腐や卵、そして汁物や小鉢などで上手に野菜をいただきましょう。ここに乳製品や果物を追加することでよりバランスが良くなります。(※)
中高生に不足しやすい栄養素とは・・・?
基本必要となる栄養素は大人と同じでも、成長期の子どもは「成長」するために大人と比べると不足しやすい栄養素があります。それが「カルシウム」と「鉄」です。
カルシウムは骨や歯が成長する過程で必要になりますが、骨量は20歳ころにピークを迎え、その後は緩やかに減少していきます。そのため、成長期にしっかりと蓄えておくことで将来の骨の健康にも大きくかかわってきます。
また、激しい運動をしている人や生理がはじまった女子は鉄の喪失量が多くなります。鉄が不足すると貧血の原因にもなりますので、不足しないように摂りましょう。
食事の内容と同じくらい大切なのが「食環境」です!
中高生になると自分で食べるものを選択して食べることができるため、「食環境」が乱れやすくなります。
まずは食べるタイミング。毎日朝・昼・夜の基本の3食を同じ時間に食べることで体のリズムができ、体内時計が整いやすくなります。
また、ごはんをきちんと食べるためにはお菓子を食べ過ぎないことも大切です。
さらに食事をするときは一人で食べる「孤食」ではなく、だれかと一緒に楽しく食べる「共食」を心がけましょう。
楽しくポジティブな気持ちで食べることで、食事に対して「楽しい」という感覚を持つことができ、食べない、過食などの偏食を防ぐことにもつながります。
(テキスト: 管理栄養士 磯村 優貴恵)
(※)各栄養素はどのくらい摂ればよいか気になる場合は厚生労働省と農林水産省によってつくられた、「食事バランスガイド」を参考にすると良いでしょう。
食事バランスガイド拡大図
http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/kakudaizu.html