白身で柔らかく、淡白でくせがない高級魚のさわら。脂ののったサワラの刺身はマグロの中トロに匹敵するとも言われます。魚へんに春と書く「鰆(さわら)」は、春が旬とされ、俳句でも春の季語になっています。これはサワラが晩春から初夏にかけて産卵のために瀬戸内海に押し寄せてきて、たくさん獲れる時期だから。しかし、関東などでは主に白身の味を楽しむほうが主体なので、「寒鰆」と呼ばれる産卵期前の脂がのった12月から2月の真冬が旬とされているようです。
西京焼きのベースとなるみそ床ですが、白みその代表格である西京味噌は甘めなので、自分の好みに合わせた味噌を加えてアレンジしても良いでしょう。また、魚だけではなく、イカ、肉や豆腐、 野菜を漬け込んでもおいしくいただけます。ただし、一度魚を漬け込んだみそ床は、魚臭さが移っているので、同じ魚系の料理に使うのがベターです。
また、焼くときは、砂糖が入っていてこげやすいので、キッチンペーパーでみそを拭き取っておくのがコツ。火加減に注意して焼き上げましょう。みそ床に漬け込んで冷蔵庫で2〜3日が食べごろですが、小分けにして冷凍保存すれば、2週間は保存可能。お弁当のおかずにも活用できて便利なだけでなく、一品あるだけで料亭風や小料理屋風を演出できる気の利いた和のおかずになります。