春の訪れを知らせてくれる山菜。苦味があったりして、クセのある味のものが多いですが、大人になるとその独特の風味が不思議とおいしく感じるものです。とはいえ、山菜は野生植物で山に自生しているので、灰汁が強く、春の恵みをおいしくいただくには下処理が必要です。
シャキシャキの食感や、独特の香りが人気のウドは、芽、茎、つぼみ、若葉まで全部食べられるのが特徴。灰汁が強く、苦味もあるので、下処理として茹でて使うのが一般的です。柔らかい芽やつぼみは酢味噌和えや、味噌汁に、太目の茎はきんぴらにするなど、余すところなくいただきましょう。
早春に顔を出すフキの花芽、ふきのとうも灰汁を抜くには茹でるのが一般的ですが、今回は簡単にレンジを使った下処理法をご紹介します。滋味あふれる苦みが大人の味を醸し出す、ふきのとう味噌にしていただくと日持ちもして春の旬の味を長く楽しめます。フキ自体はスジを取り、下ゆでしたりと手間がかかりますが、独特の香りと、マカロニのように中が空洞だからこそ味わえる食感を楽しみましょう。
なお、山菜の中でもクセがほとんどなく、食べやすいタラの芽は、名前のごとく、新芽(枝の先端の頂芽)だけをいただきます。天ぷらなどでいただくと、サクッという食感と独特の苦味が堪能できます。タラの芽の木の表面は鋭いトゲがたくさんついていますので、収穫の際は気をつけましょう。
鍋や卵とじ、おひたしや炒め物でもタップリいただきたいセリも下処理なしでいただけます。爽やかでかすかな苦みが、クセのない水菜とはひと味違うおいしさですよ。