まもなく春の行楽シーズン。お花見やピクニックなど、お弁当を持って出かける機会も増えますね。そんな時に気をつけたいのが食中毒。まだ暑くないから大丈夫と油断していると、大変な目に合ってしまうことも。
食中毒は、原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。食中毒予防のための三原則をご存知でしょうか?細菌を食べ物に「①つけない」、食べ物に付着した細菌を「②増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「③やっつける」という3つが、食中毒を防ぐためには大切なのです。
実際に行楽弁当を作る場合は、次のようなことに注意しましょう!
① つけない
基本は手洗いです。調理の前だけでなく、生の肉や魚を取り扱う前後にも手を洗いましょう。
包丁やまな板などの調理器具は常に清潔に保つようにしましょう。特にまな板は、肉・魚用と野菜用をわけると安全です。難しい場合は、加熱しないで食べるものを先に、肉や魚を後にするというように、順番を工夫と良いでしょう。また、おにぎりはラップを使ってにぎるようにしましょう。
②増やさない
食中毒菌の増殖には、「栄養」「温度」「水分」の3要素が不可欠です。
最も気を付けたいのが「温度」。細菌が増殖する温度は一般的に20℃~50℃で、35℃前後で最もよく増殖すると言われています。この温度帯を避けるため、加熱したおかずは良く冷ましてから弁当箱につめる、持ち歩く際は保冷剤・保冷バッグを活用するなどの工夫をしましょう。
次に気を付けたいのが「水分」。細菌は食品中の水分を利用して増殖しますので、なるべく汁気をきってから弁当箱につめるようにしましょう。
③やっつける
ほとんどの細菌は加熱することによって死滅します。十分に加熱するようにしましょう。中心部を75度1分以上加熱することが目安です。包丁やまな板、ふきん等にも、細菌が付着しますので、洗剤でよく洗い、熱湯をかけて殺菌しましょう。
また、梅干し、しそ、生姜など、食材を傷みにくくする食材を使うのも良いですね。
食中毒は、ポイントを押さえれば防ぐことが可能です。正しい知識を身につけて、春の行楽を存分に楽しみましょう。
(テキスト:尾上 雅子)
参考資料:『厚生労働省』「食中毒」http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html