「自分はメタボなんて・・・関係ないない!」と思っていませんか?実は、お腹周りや体格が基準値以内でも「隠れメタボ」と呼ばれる人が増えています。今回は誰にでも起こり得る隠れメタボついて、原因と簡単な対策を紹介します。
隠れメタボって何?
まず、一般的に知られるメタボリックシンドローム(内蔵脂肪症候群)をおさらいしましょう。診断の基本はお腹周りです。
① おへその高さで測る腹囲が男性85cm・女性90cmをオーバー
かつ
② 中性脂肪やHDLコレステロールなどの血清脂質・血圧・血糖のうち2項目以上に異常が見られる
①も②も当てはまる場合はいわゆる「メタボ」です。
一方「隠れメタボ」は①に当てはまらない、かつ体格指数(BMI)が25未満にも関わらず、②に当てはまることです。つまり、見た目はスリムでも血圧が高めだったり、血糖値が乱れていたりする状態です。
2016年3月に発表された調査では、隠れメタボは全国で914万人に上ると推計されています(厚生労働省研究班・代表=下方浩史・名古屋学芸大教授)※1。最近は20〜30代の若い人にも多く見られます。隠れメタボは本人の自覚が少ないために、中年&お腹ぽっこりメタボよりも生活習慣病が進みやすいのです。
隠れメタボの原因は?
・ 乱れた食生活(朝食を抜く、野菜不足、間食が多い、毎日の飲酒など)
・ 食事制限、特定の食品しか食べない、など無理なダイエットをしたことがある
・ 運動不足
・ 睡眠不足
・ ストレス過多
働き盛りのビジネスマンや仕事や家事に忙しいママにありがちな生活習慣ですが、実はこのような習慣の蓄積が隠れメタボの原因となってしまいます。
食事における対策は?
食事は1日3回、1年間で1000回以上あります。1日1食でも食事を整える事ができれば良い習慣づくりになりますね。
第一に、朝ごはんを食べましょう。オススメは和食、ごはんとみそ汁です。ごはんとみそ汁は脂質が少ないため、目覚めたばかりの胃腸に負担をかけにくいメニューです。中性脂肪等を気にする方には特に洋食より和食がオススメです。
第二に、よく噛みましょう。ベストは一口30回。よく噛むと満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐ事ができます。また、きのこ、海藻、根菜、こんにゃくなどのような噛み応えのある食材は食物繊維を多く含むため、血糖値の乱れを防ぎます。
(テキスト:松原 郁実)
※1 『厚生労働省』「第5回 特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000124131.html