過剰なダイエットは不妊症や骨粗鬆症を引き起こす恐れがあります。欠食や偏った食事をすることによるエネルギー不足で体重は減少します。体重減少や不規則な生活が脳へのストレスを与えると、卵巣からの女性ホルモン分泌が低下し月経異常や無月経が起こるのです。
これはエネルギー消費を抑え、生命を維持するための生体反応のため、体重が元に戻らないと月経も戻りません。無月経の状態が続くと将来不妊症になるリスクが高まります。体重減少に注意するほか、偏った食生活にならないよう食事は規則正しく、エネルギーとなる炭水化物・体を作るタンパク質・そして脂質をバランス良くとりましょう。
骨が溶け出す恐れも・・・!
ダイエットによって骨粗鬆症のリスクも高まります。骨を作る主成分はタンパク質・カルシウム・リンですが、過剰なダイエットで栄養不足、特にカルシウム不足になると骨のカルシウムが溶け出してもろくなり骨折しやすくなる、骨粗鬆症になる恐れがあります。
また、骨に力がかかると骨は強くなろうとしますが、やせていると骨に負荷がかからず骨量が減少してしまいます。カルシウムを多く含む牛乳・乳製品、タンパク質を多く含む肉類や魚・大豆製品、骨にとって重要なミネラルであるナッツ類を十分に摂りましょう。
自分の適正体重を確認しましょう!
健康的にダイエットをするために、まずは自分の適正体重を知りましょう。「身長(m)×身長(m)×22」の計算式で出した数値が適正体重です。身長155cmの場合は52.9kg。身長160cmの場合は56.3kgとなります。
次に、肥満度を表すBMI(Body Mass Index:体格指数)で標準なのかそれよりも太っているのか、痩せているのかを知りましょう。BMI値は「体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}」で表します。この数値が22の場合は標準、18.5未満の人は「痩せ」となり、不妊や骨粗鬆症のリスクが高まります。
女優やモデルのようなスラリとした体型に憧れる気持ちはわかりますが、ダイエットにはこういった健康面のリスクがあります。将来の体のためにも、過剰なダイエットには注意しましょう。
(テキスト: 桑原 典子」