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もしヒトラーに酷似した男が、隣に引っ越してきたら…? 「ちくしょうめ!」な表情をとらえた場面写真6点

映画.com 2024年7月5日 9時0分

 「ヒトラー生存説」「南米逃亡説」をモチーフに、実際に起こり得たかもしれない“もしも”の世界を大胆なアプローチで描いた「お隣さんはヒトラー?」から、場面写真がお披露目。アドルフ・ヒトラーに酷似した男が隣に引っ越してきた、ホロコーストを生き延びた男の「ちくしょうめ!」という悲喜こもごもの表情が切り取られている。

 本作は、ヒトラーの遺体を西側諸国が確認していない点、ナチス高官のアドルフ・アイヒマンらが中南米に逃亡した事実、2015年に、コロンビアのジャーナリストがもたらしたCIAの極秘文書に、ヒトラーに関する資料を発見・SNSで公開したことなどから、「ヒトラーが生きていて、ホロコーストを生き延びた男の家の隣に引っ越して来たらどうなる?」という、実際に起こり得たかもしれない世界戦を描く。

 1960年の南米・コロンビア。第二次世界大戦終結から15年が経過し、巷ではアルゼンチンで逃亡生活を続けていたアイヒマンが拘束されたニュースが話題になっていた。ホロコーストで家族を失い、ただひとり生き延びたポルスキーは、町外れの一軒家で日々を穏やかに過ごしていた。

 そんな老人の隣家に越してきたのは、ドイツ人のヘルツォーク。その青い瞳を見た瞬間、ポルスキーの生活は一変する。その隣人は、56歳で死んだはずのヒトラーに酷似していたのだ。ポルスキーは大使館に出向き、隣人はヒトラーだと訴えるが信じてもらえず、自ら証拠を掴もうと行動を開始する。正体を暴こうと意気込んでいたポルスキーだったが、やがて、互いの家を行き来するようになり、チェスを指し、肖像画を描いてもらうまでの関係に。ふたりの距離が少し縮まったとき、ポルスキーは、ヘルツォークがヒトラーだと確信する場面を目撃する。

 新場面写真は、「もしもヒトラーに酷似した人が隣人になったら、どんな表情を浮かべるのか?」という“もしも(if)”の表情を映す。大使館職員に隣人がヒトラーだと訴えても信じてもらえないときの表情「疑心」、大使館から帰路につく際の表情「落胆」、隣家との境界線争いで負けたときの表情「驚がく」、夜半の雨に打たれている表情「悲観」、隣人がヒトラーであることを証明するため、盗撮を行ったときの表情「暴露」、そして正面を向く「虚無」という、「ちくしょうめ!」を表現するラインナップだ。なお「ちくしょうめ!」とは、映画「ヒトラー 最期の12日間」のシーンに嘘の字幕をつけた動画「総統閣下」シリーズに登場する空耳のひとつで、ネットなどで話題になったワードでもある。

 ユーモラスな前半と、これまでのナチス、ヒトラーを題材にした映画にみられた勧善懲悪とは一線を画すラストのコントラストで、見る者の心を大きく揺さぶる作品に仕上げたのは、本作が長編2作目となるレオン・プルドフスキー監督。隣人をヒトラーだと疑うポルスキー役に、英テレビドラマ「ロンドン警視庁犯罪ファイル」のマイク・ウォーカー警視役で知られるデビッド・ヘイマンを配した。ヒトラーに疑われるヘルツォーク役を、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」など、ラース・フォン・トリアー監督のほぼ全作に出演しているウド・キアが務めた。

 なお「BS10 スターチャンネル」では、本作の公開記念特集「戦後も残るナチスの影」として、ナチスドイツが降伏した第二次世界大戦後もナチスの与えた影響を受け、人生の岐路に立たされる人々を描いた作品が放送される。ラインナップは、戦時下で計画されたナチスが絡んだ陰謀に、現代で巻き込まれる女性の戦いを描いたサスペンスアクション「オペレーション・ナポレオン ナチスの陰謀」(独占日本初公開)。ナチスが大量に埋めた地雷を撤去するドイツの少年兵たちと、それを指揮するデンマーク人軍曹との心の交流と葛藤をめぐる実話ドラマ「ヒトラーの忘れもの」。終戦後のドイツを舞台に、ナチス幹部の子どもたちが直面する厳しく残酷な現実と、ユダヤ人青年との出会いを通じて揺れ動く心情を描いた「さよなら、アドルフ」の3作品となっている。

 いずれも字幕版で、7月12日~14日夜に3日連続放送され、7月27日午後1時から、全3作品が一挙放送。詳細は、公式サイト(https://www.star-ch.jp/feature/detail/20240708)で確認できる。

 「お隣さんはヒトラー?」は、7月26日から東京の新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開。

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