英国を代表する名優イアン・マッケランが、今秋に予定されていた舞台劇「プレイヤー・キングス（原題）」の地方公演をキャンセルすることを発表した。この決定は、6月にロンドンのノエル・カワード劇場での同作品の公演中、マッケランが舞台から落下し負傷したことによるもの。
85歳になるマッケランは現在、医師の指示のもと治療と休養に専念している。声明の中で、「ツアーをキャンセルせざるを得ないことに大変失望しているが、何よりも健康が最優先だ。完全に回復したら、再度公演を行う予定だ」と述べている。
「プレイヤー・キングス（原題）」の地方公演は、9月から英国各地での上演を予定していた。主催者側は、チケットを購入済みの観客への返金対応を進めると共に、代替公演の日程調整に尽力している。
マッケランにとって、舞台上でのアクシデントに遭遇するのは今回が初めてではない。2018年にも、シェイクスピア作品「リア王」の公演中に足を負傷する事故に見舞われている。しかし、復帰を果たし、その後も精力的に舞台活動を続けてきた。
マッケランは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのガンダルフ役や「X-メン」シリーズのマグニートー役など、数々の映画やテレビ作品で印象的なキャラクターを演じてきた。その一方で、舞台俳優としても非常に高い評価を得ており、特にシェイクスピア作品では「マクベス」「リア王」「リチャード三世」など難役を演じ切ってきた。ファンからも一日も早い回復と舞台復帰が望まれている。