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ポップカルチャーが禁じられたソ連占領下のエストニアの奇想天外ムービー「エストニアの聖なるカンフーマスター」10月4日公開

映画.com 2024年7月19日 15時0分

 「ノベンバー」の日本でのスマッシュヒットが記憶に新しいライナル・サルネット監督の新作「The Invisible Fight(英題)」が「エストニアの聖なるカンフーマスター」の邦題で10月4日公開される。このほど、ポスタービジュアルと予告編が披露された。

 ポップカルチャーが禁じられたソ連占領下のエストニアで、カンフーと伝説的ロックバンド“ブラック・サバス”に熱狂する主人公が、周囲を巻き込みながらもカンフー修行の道を突き進む物語。

 自分らしく生きるとは――悩みを抱え日々を生きる現代人を揺さぶる普遍的テーマを描いた本作は、世界の映画祭で絶賛と笑い&ショックを巻き起こしエストニアのアカデミー賞といわれるEstonian Film and Television Awards 2024で11部門にノミネート、作品賞をはじめとする最多9部門を受賞した。

 ライナル・サルネット監督は、若くして「映画の神童」と呼ばれ、“エストニアのギレルモ・デル・トロ”ともいうべき奇才。ダークファンタジー「ノベンバー」のモノクロの映像美が印象的だった前作とは作風が一変し、メタルとカンフーに魅入られた青年の成長をカラフルかつレトロでキュートな映像で描いた青春コメディとなっている。本作について、サルネット監督は「テーマは「自分自身、ありのままであれ」。自分に正直であればこそ、人は内面を成長させ、世の中を生きていける」と語っている。

 主人公ラファエルを演じるのはエストニアの若き個性派俳優、ウルセル・ティルク。本作の熱演が評価され、EFTA2024で最優秀男優賞を受賞した。主人公が恋に落ちる女性リタには「Firebird ファイアバード」等、数々の映画やTVドラマにも出演する出演人気俳優でありライナル・サルネット監督とは「ノベンバー」以来のコラボレーションとなるエステル・クントゥ。また、音楽を手掛けたのは国内外で活躍する日野浩志郎。本作にてEFTA2024最優秀音楽賞を受賞した。

 予告編では主人公ラファエルが謎の修道士たちと出会い、「最強のカンフーを極めたい」と弟子入りを申し出るシーンからスタート。ブルース・リーの「燃えよドラゴン」のポスターが貼ってある部屋でヌンチャクを振り回すラファエルと、突如現れた破天荒すぎる彼を見て「神の使いかも」と期待する修道士たち。そこで流れる激しいロックとともに、舞踏のごとく華麗に戦う達人たちが登場する。「合わない人には合わないが、好きな人は100回観るだろう」というコピーののち、何者かと対峙する主人公の姿が出現する。

 10月4日から新宿武蔵野館ほかで全国公開。

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