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「Peter Barakan's Music Film Festival 2024」9月6日から開催 日本初公開作6本、「アメリカン・ユートピア」「バビロン」など再上映も

映画.com 2024年7月19日 18時0分

 ピーター・バラカン氏が上映作品を選定し、日本劇場初上映作を含む音楽映画を上映する「Peter Barakan's Music Film Festival 2024」が、9月6日から角川シネマ有楽町で開催される。今年で4回目となる本映画祭で上映権利を取得し日本初公開の6作品を含む、21作品を紹介する。

 日本初の劇場公開となるのは、現在97歳のフォーク、ブルーズ、ジャズを本格的に歌ってきた歌手バーバラ・デインのドキュメンタリー「七転八起の歌手 バーバラ・デイン」、ニューヨークで生まれ育ったガーランド・ジェフリーズについて奥さんが撮ったドキュメンタリー「ガーランド・ジェフリーズ ジャンル知らずの帝王」、50年以上の歴史を持つキング・クリムゾンについてのドキュメンタリー「キング・クリムゾンの世界」、第2次世界大戦後にヨーロッパで独自のジャズがあった背景を描いた「自分の道 欧州ジャズのゆくえ」、ザ・バンドとも関わりの深いボビー・チャールズについてのドキュメンタリー「ボビー・チャールズ 極楽の歌」、1940年代のアメリカで、MTV の先駆けともいうべき存在だったサウンディという名のミュージックヴィデオを集めた「サウンディーズ 元祖ミュージック・ヴィデオ!」。

 また新たに上映権利を取得したナチス・ドイツを逃れたアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフという2人のユダヤ系ドイツ人によって1939年に創立された「ブルーノートレーベル」についての決定版ドキュメンタリー「ブルーノート モダン・ジャズの物語」も上映。そして、9月6日公開の「セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男」プレミア上映も決定している。

 そのほか、近年ヒットした話題作やドキュメンタリーなども再上映。音楽ファンも映画ファンも必見のラインナップとなっている。上映スケジュールなど詳細は順次公式HP(http://pbmff.jp)で発表される。9月6日~9月19日角川シネマ有楽町にて開催。

▼ピーター・バラカンのコメント

早くも4年目の音楽映画祭。もう自分の(高齢の)頭の中では恒例の催し物になりつつあります。今年も様々なジャンルと地域の音楽を扱った新旧の作品が集まりました。ロック、フォーク、ジャズ、ジャンプ・ブルーズなどの R&B、フラメンコ、世界の民族音楽、インド、ルイジアナ名物ボビー・チャールズのドキュメンタリーまであります。ぜひ開催中の2週間の間に有楽町に足を運んでいただければと思います。以前上映した映画のアンコールのリクエストをいただくことが少なくないですが、権利が切れたなどの理由で上映できないことが多く、チャンスがあるうちにぜひ見てください。

地方での上映も歓迎します。作品によって上映スタイルの融通が利くものもあるので、稚内でも与那国でも(もっと近くでもいいですよ!)少人数の上映会の希望もご遠慮なくお伝えください。音楽と映画を皆に!

▼上映作品ラインナップ

■日本初上映

「七転八起の歌手 バーバラ・デイン」The 9 Lives of Barbara Dane
2023年 / 104分 / アメリカ
監督:モウリーン・ゴスリング
出演:バーバラ・デイン、ボニー・レイト、ジェイン・フォンダ、ルイ・アームストロング
<ピーター・バラカンコメント>
1950年代からフォーク、ブルーズ、ジャズを本格的に歌いながら様々な社会活動も続けてきたバーバラ・デインは現在97歳です。ルイ・アームストロングからもボブ・ディランからも絶賛された彼女の妥協のないユニークな人生を追った素晴らしいドキュメンタリーです。

「ガーランド・ジェフリーズ ジャンル知らずの帝王」 Garland Jeffreys: The King Of In Between
2023年 / 70分 / アメリカ
監督:クレア・ジェフリーズ
出演:ガーランド・ジェフリーズ、ローリー・アンダスン、 ブルース・スプリングスティーン、ハーヴェイ・カイテル
<ピーター・バラカンコメント>
ニューヨークのブルックリンで生まれ育ったガーランド・ジェフリーズはジャンルにこだわるアメリカのメディアでは捉えきれない、音楽的に幅の広いシンガー・ソングライターです。最近引退を表明した 80 歳の彼のことをブルース・スプリングスティーンからローリー・アンダスンまで多くのミュージシャンが語ります。

「キング・クリムゾンの世界」In The Court Of The Crimson King: King Crimson at 50
2022年 / 86分 / イギリス
監督:トービー・エイミス
出演:ロバート・フィリップ、ビル・リーフリン、ビル・ブルーフォード、イアン・マクドナルド
<ピーター・バラカンコメント>
50年以上の歴史を持つキング・クリムゾンはロバート・フリップを除けば夥しい数のミュージシャンが出入りしてきたバンドです。このドキュメンタリーで最新ライン・アップの活動を追いながらも、音楽のことよりもこれまでの様々なメンバーのインタヴューで人間関係を描いています。キング・クリムゾンのファンとは言えないぼくもとても興味深かったです。

「自分の道 欧州ジャズのゆくえ」Play Your Own Thing - Jazz in Europe
2006年 / 88分 / ドイツ
監督:ユリアン・ベネディクト
出演: アリルド・アンデルセン、ゲオルグ・バゼリッツ、ジャンゴ・ベイツ、ステファノ・ボラーニ
<ピーター・バラカンコメント>
ユリアン・ベネディクトによる 2006 年のドキュメンタリーです。第⼆次大戦後のヨーロッパで、アメリカの様々なジャズの影響を受けながら各地で独自のジャズ表現が生まれてきたプロセスを分かりやすく紹介しています。スウェーデンのボボ・ステンソン、ノルウェイのヤン・ガルバレク、ドイツのヨアヒム・クーンをはじめ、ヨーロピアン・ジャズを確立するのに大きな役割を果たしたミュージシャンが次々と登場します。中には⼀般的な知名度は高くないものの、これを見ればもっともっと聞きたくなります。

「ボビー・チャールズ 極楽の歌」In a Good Place Now: The Life & Music of Bobby Charles
2024年/ 86分 / アメリカ
監督:ディヴィッド・デュボス
出演: ドクター・ジョン、アラン・トゥーサント、クラレンス・“フロッグマン”・ヘンリー、デルバート・マクリントン
<ピーター・バラカンコメント>
1972年に知られざる傑作アルバムを作ったボビー・チャールズはルイジアナ州南西部の田舎で生まれ育ったソングライターでした。1950 年代にロックンロールの大ヒット曲「See You Later Alligator」の作者でもある彼は歌手としても素晴らしい才能を持っていたのに、極めてシャイな性格で脚光を避けていました。日本には意外に多い彼のファンの⼀人としてこのドキュメンタリーをぜひ多くの音楽ファンに見ていただきたいです。

「サウンディーズ 元祖ミュージック・ヴィデオ!」Soundies
出演:デューク・エリントン、ナット・キング・コール、ファッツ・ウォラー、ルイ・ジョーダン
<ピーター・バラカンコメント>
1940年代のアメリカで、MTVの先駆けともいうべき存在だったのがサウンディという名の映像ジューク・ボックスのような代物でした。有名無名、記録が残っている様々なサウンディは⽟石混交なのですが、その中からデューク・エリントン、ナット・キング・コール、ファッツ・ウォラー、ルイ・ジョーダンなどゴキゲンな作品を30曲集めました。このフェスならではの企画です!

■映画祭で新たに権利取得作品
「BLUE NOTE ハート・オブ・モダン・ジャズ」Blue Note - A Story Of Modern Jazz
1997年 / 95分 / ドイツ
監督:ユリアン・ベネディクト
出演:フレディ・ハバード、ギル・メレ、ハービー・ハンコック、ホレス・シルヴァー
<ピーター・バラカンコメント>
今や伝説のブルー・ノート・レコードはナチス・ドイツを逃れたアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフという 2人のユダヤ系ドイツ人によって1939年に創立されたレーベルです。多くの名作を生んだ彼らの物語は普遍的な魅力を持っています。ユリアン・ベネディクトが 1996 年に制作したドキュメンタリーです。セローニアス・マンクやサニー・ロリンズからカサンドラ・ウィルスンや大西順子まで色々な時代のミュージシャンが多数登場します。

■プレミア上映
「セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男」

■本映画祭初上映
「LISTEN.」
「コンサート・フォー・ジョージ」
「シド・バレット 独りぼっちの狂気」
「フラメンコの魔性と神秘」
「エリック・クラプトン ライブ・イン・サンディエゴ 伝説の⼀夜」
「LONDON CALLING ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー」
「Monterey Pop モンタレー・ポップ」
「リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング」

▼その他アンコール上映
「響け!情熱のムリダンガム」
「アメリカン・ユートピア」
「ブリティッシュ・ロック誕生の地下室」
「バビロン」
「ルーツを掘る アーフーリー・レコード物語」

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