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空音央監督「HAPPYEND」第81回ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門出品

映画.com 2024年7月23日 19時0分

 コンサートドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto | Opus」で注目を集めた空音央監督の長編劇映画デビュー作「HAPPYEND」が、第81回ベネチア国際映画祭のオリゾンティ・コンペティション部門に選出された。10月4日の日本公開に先駆け、ワールドプレミア上映が行われる。

 オリゾンティ・コンペティション部門とは、新しい映画表現の潮流を感じさせる新鮮で革新的な作品で構成される公式部門。近年の日本映画では国内外で高い評価と注目を集めた「ある男」(22/石川慶監督)、「ほかげ」(23/塚本晋也監督)などが選出されている。

 「HAPPYEND」は、幼馴染で大親友のユウタとコウが主人公。仲間たちと音楽を聴いたり悪ふざけをしながら毎日を過ごしていたふたりだが、高校3年のある晩、こっそり忍び込んだ学校でユウタはとんでもないいたずらを思いつく。翌日いたずらを発見した校長は激昂し、学校に四六時中生徒を監視するAIシステムを導入する騒ぎにまで発展。この出来事をきっかけに、大学進学を控えるコウは自らの将来やアイデンティティについて深く考えるようになる。その一方で、変わらず楽しいことだけをしていたいユウタ。2人の関係は次第にぎくしゃくしはじめる…という物語。

 昨年の第80回ベネチア国際映画祭では、コンサートドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto | Opus」がアウト・オブ・コンペティション部門に選出されており、空監督にとっては2年連続2度目の参加の快挙となった。 出品決定に際し、空音央監督と本作がスクリーンデビューとなった主演の栗原颯人、日高由起刀からコメントが発表された。

 10月4日から、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。

▼コメント

■空音央監督

 友情の物語である「HAPPYEND」を映画にするにあたって、一番大切にしたのは、スタッフやキャストとの関係性でした。幼馴染である登場人物に説得力を持たせるためには、撮影現場での俳優やスタッフ同士の友情や信頼関係が必要不可欠だと考えました。キャスティングやリハーサルを始めると、自分の想像をはるかに超えて、みんな仲良くなり、まるで何年も前からの友達みたいに、みんな和気藹々と制作に励んでくれました。その現場の雰囲気は、絶対にスクリーンに滲み出てくるだろうと、強い手応えを感じていました。ヴェネツィア国際映画祭がその魅力を受け止め、「地平」という意味を持ち、新しい視点を見出す「オリゾンティ部門」のコンペティションに選出してくれたことを心から嬉しく思っています。この場を借りて、愛のこもった素晴らしい仕事をしてくれたキャスト・スタッフに感謝します。

■ユウタ役:栗原颯人

今作で僕は、友情というものの捉え方をとても考えさせられました。 今生きている瞬間を大事にしたい人間もいれば、この先の未来を考えて生きるべきという人間もいる、そんな人間同士が同じものを見たり聞いたりしていても、その場の在り方は一緒なように見えて違うというのは当たり前の話です。 でもそんな儚いものでも大事にするべきだと思うし、それがより自分という人間の中身を構築し、築き上げていくものだと思います。 スクリーンデビューとなった今作ですが、温かいキャストやスタッフの方に囲まれて、とてもかけがえのないものとなりました。ヴェネツィア出品も決定ということで、中々頭が追いついていませんが、良い作品だと自信をもって言えます。是非観てください。

■コウ役:日高由起刀コメント

撮影期間中、初めての演技ということもあり好奇心と戸惑いが入り混じっていたのを覚えています。演技に正解なんてないのは分かっていますが、当時は自分の思う正解に近づこうという思いで取り組んでいました。結果としてこのような素晴らしい映画祭へ出品が決まった事を、とても嬉しく思います。監督はじめ、作品に携わった方々、皆様に助けていただきました。公開前の今、なんとも言葉には表せない、このワクワクとした感覚を忘れないように今後の俳優人生に活かしていきます。

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