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黒沢清監督、菅田将暉主演「Cloud クラウド」第81回ベネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門でワールドプレミア上映決定

映画.com 2024年7月23日 21時30分

 黒沢清監督が、主演に菅田将暉を迎えた映画「Cloud クラウド」が、第81回ベネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門で上映されることが7月23日(現地時間)発表された。同国際映画祭での上映が本作のワールドプレミアとなり、黒沢監督と菅田が喜びのコメントを寄せた。

 カンヌ、ベルリンと並び世界三大映画祭のひとつであり、もっとも歴史あるベネチア国際映画祭。黒沢清監督作品としては「大いなる幻影 Barren Illusion」(99)、「叫」(06)、「贖罪」(12)、「スパイの妻」(20)に続く5度目の選出となり、「スパイの妻」では銀獅子賞(監督賞)を受賞している。

 本作は“誰もが標的になりうる”日常と隣り合わせの恐怖を描いたサスペンス・スリラー。“転売ヤー”の主人公・吉井が、ネット社会に知らず知らずのうちにバラまいた憎悪によって生まれた “集団狂気”が、実体をもった匿名の集団へと姿を変え、吉井を標的とした“狩りゲーム”がはじまる……という物語。主人公・吉井良介を菅田将暉、吉井の謎多き恋人・秋子役を古川琴音、吉井に雇われたバイト青年・佐野役を奥平大兼、ネットカフェで生活する男・三宅役を岡山天音、吉井が働く工場の社長・滝本役を荒川良々、そして吉井を転売業に誘う先輩・村岡役を窪田正孝が演じている。

 昨年開催の同映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門では、ウェス・アンダーソン、ハーモニー・コリン、リチャード・リンクレイターといった人気監督の最新作が上映されており、22年にはA24製作・配給の「Pearl パール」(タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス主演)、21年には「デューン 砂の惑星」(ドゥニ・ビルヌーブ監督、ティモシー・シャラメ主演)など、映画ファンに支持されるエンターテイメント性の高い作品を紹介している部門だ。今年、日本作品では北野武監督の「BROKEN RAGE」と本作が上映される。

 映画祭の記者会見では、ディレクターのアルベルト・バルベーラ氏が、本作を「ベネチアを過去幾度となく訪れている黒沢清監督が、今回は新作『Cloud』とともにベネチアに戻ってきます! ここ数年で最も多作な日本人監督の1人である黒沢監督ですが、本作では、彼を世界中の映画ファンの間で熱狂的な人気監督に押し上げた、過去の映画で探求したテーマと物語へ原点回帰しています。本作でも前半は現代的なアプローチで始まりつつ、後半はユーモアを交えたガンアクションパートが続き、とびきりクールなラストを迎えます。本映画祭のミッドナイト上映にピッタリの映画だと思います」と紹介した。

 第81回ベネチア国際映画祭は、現地時間8月28日から9月7日まで開催される。「Cloud クラウド」は、9月27日より全国劇場で公開。

▼コメント全文
■主演 菅田将暉
黒沢監督の作品で、海外の映画祭に行くことをずっと夢見ていました。感謝です。大いに楽しんでもらえることを願っています。

■監督・脚本 黒沢清
シンプルな娯楽映画を目指した作品がヴェネチアに選ばれたと聞き、たいへん驚いています。菅田将暉の善人とも悪人ともつかない絶妙な両義性が、この幸運を引き寄せてくれたのでしょう。

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