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黒沢清監督、菅田将暉主演「Cloud クラウド」トロント国際映画祭センターピース部門出品、ノベライズも発売

映画.com 2024年8月7日 10時0分

 黒沢清が監督・脚本を務め、菅田将暉を主演に迎えた映画「Cloud クラウド」。9月5日~9月15日(現地時間)に開催される第49回トロント国際映画祭センターピース部門への正式出品、ノベライズ発売が決定した。

 今年の第81回ベネチア国際映画祭でのワールドプレミア上映が決まっている本作は、憎悪の連鎖から生まれる“集団狂気”を描いたサスペンススリラー。「誰かに狙われている――?」転売で稼ぐ吉井の仕事が軌道に乗り出した矢先、周囲で不審な出来事が重なり、これまでの「日常」が壊されていく。「ラーテル」というハンドルネームを使い、転売で稼ぐ主人公・吉井良介を菅田が演じ、吉井の謎多き恋人・秋子役を古川琴音、吉井に雇われたバイト青年・佐野役を奥平大兼、ネットカフェで生活する男・三宅役を岡山天音、吉井が働く工場の社長・滝本役を荒川良々、そして吉井を転売業に誘う先輩・村岡役を窪田正孝が演じている。

 トロント国際映画祭は、今年で49回を迎えるカナダ最大の都市・トロントで開催される、北米最大規模の来場者数を誇る映画祭で、”オスカーレースの前哨戦”として世界中からの注目を集める。黒沢清監督作品としては、1998年に「CURE」(97)で初めて同映画祭に選出、翌99年に「Spotlight: Kiyoshi Kurosawa」として特集上映が行われて以来、「回路」(01)、「トウキョウソナタ」(08)、「贖罪」(12)、「岸辺の旅」(15)など作品を発表するたびに招待されている。今回、本作が上映される「センターピース部門」は、2022年までは「Contemporary World Cinema部門」という名称で、国際映画祭で高い評価を受けた作品や、才能あふれる監督の待望のプレミア作品、世界に影響力のある巨匠の最新作などを紹介する部門となっている。

 トロント国際映画祭プログラマーのジョバンナ・フルビ(Giovanna Fulvi)氏は、「『Cloud』を招待することができ、大変嬉しいです。本部門は、トロント国際映画祭の核といえる部門で、世界中から高く評価されている作品や、日本を代表する映画監督である黒沢清監督のように、世界へ影響力のある方の最新作をお披露目しています。『Cloud』の魅力的な物語は現代的な恐怖と共鳴しており、いかにして些細な恨みが制御不能な暴力にエスカレートしていくかを描いています。主演・菅田将暉さんの説得力ある演技によって、この映画は一種の教訓的な話でありながら、ネット上の悪意に実生活を脅かされる恐怖が存在している、現代のメディア環境の“カオス”を、スリル満点に体験できる作品に仕上がっています。黒沢清監督の最高傑作!」と激賞コメントを寄せた。

 また、宝島社から発売されるノベライズは、小説家として活躍し、これまでに「怪物」「アルキメデスの大戦」「そして父になる」などのノベライズも手掛けてきたライターの佐野晶氏によるもので、映画「Cloud クラウド」の世界が、豊かに拡げられている。宝島社文庫より9月4日に発売。本体718円(税別)。映画は、9月27日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。

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