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【「七夕の国」ネタバレ全話振り返り】壮絶ラストに話題沸騰… ナン丸と頼之、それぞれの正義を抱える能力者が選んだ結末とは?

映画.com 2024年8月17日 14時0分

 岩明均氏のSF漫画を映像化したドラマシリーズ「七夕の国」が、ディズニープラスで全話配信中。8月8日にディズニープラスで最終話が配信され、その壮絶なラストが話題となりました。本記事ではネタバレを含め、各エピソードのあらすじをご紹介。視聴のアシストになれば、幸いです。

【作品概要】

 原作は、1996年~99年に「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館刊)で不定期連載された同名漫画。「寄生獣」「ヒストリエ」などで人気を博す岩明均作品のなかでも、カルト的人気を誇り、その壮大なスケールと刺激的な表現から「映像化困難」と言われ続けていた怪作だ。

 ある日、ビルや人体が丸くえぐられる怪事件が多発し、日本中が恐怖に包まれる。事件の鍵を握るのは、季節外れの七夕祭を行う山間の丸川町。そこで代々受け継がれていた謎の球体・●(まる)の力とは? 自身もこの地にルーツを持つ主人公の南丸洋二(通称ナン丸)は、内に秘めた力と向き合い、巨大な陰謀に対峙していく。

※以下、ディズニープラスで配信されている「七夕の国」のネタバレとなる箇所がありますので、未見の方は十分にご注意ください。

●第1話「超能力者」

――「ちょわああああああ!!」(ナン丸)

 奇怪な大声をあげ、「あらゆる物に小さな穴を開ける」という何の役にも立たない超能力を持つ平凡な大学生・ナン丸(細田佳央太)はある日、自分を探していた民俗学の教授・丸神正美(三上博史)が行方不明になったことを知る。丸神ゼミの助教授・江見早百合(木竜麻生)や、残されたゼミ研究生の多賀谷(濱田龍臣)、桜木(西畑澪花)と交流するなかで、自分のルーツを知っていくナン丸。

 同じ頃、ナン丸が部長を務める「新技能開拓研究会」を時間の無駄だと考え、退会した浅野(倉悠貴)は、何者かが主催する怪しげな「新技能啓発セミナー」に入会。丸神教授が調べていた“丸神の里”こと丸川町では、ゴルフ場建設を進める建設会社社長が、上半身が消失した状態で発見されるという猟奇殺人事件が起きる。

●第2話「丸神の里」

――「あなたは“手がとどく者”ですよね」(東丸幸子)

 丸神教授を探すため、丸川町に足を踏み入れたナン丸たち。住民は一様に閉鎖的だったが、ナン丸の本名が南丸だと知ると、態度を急変させ、手厚くもてなし始める。一方、丸川町で生まれ育った東丸幸子(藤野涼子)は、ナン丸に“丸神の血を継ぐ者”のみが持つ不思議な力の存在について教えた上で、「丸神の里の人々を信じすぎてはいけない」と忠告する。

 「この町では古くから2種類の素質を持った人が生まれます。ひとつは“手がとどく者“、もうひとつは“窓を開いた者”。“手がとどく者”は、私が知る限り、ナン丸さんを入れて6人。いや、5人だけです」。そう語る幸子が、ナン丸に伝えたいメッセージとは? 一方、江見たちは、「足を踏み入れるな」と忠告されていた丸神山で、白頭巾の軍団が執り行う秘密の神事を目撃する。

●第3話「手がとどく」

――「丸川町で起こった殺人事件と同じね」(江見早百合)

 江見は丸神の里にひとり残り、丸神教授の捜索を続ける。一方、東京に戻ったナン丸たちの前に、幸子の兄・高志(上杉柊平)が現れる。ナン丸と同じ力を持つ高志の手ほどきによって、徐々に●の力を使いこなせるようになるナン丸。しかし高志は、丸神の里の掟を破り、●の力を悪用し、八木原(金田哲)とともに金儲けを企んでいた。

 幸子は祖母(朝加真由美)と生活しているが、高志と幸子の父・和彦(忍成修吾)と母・由紀子(朝比奈彩)はすでに亡くなっており、彼らの死は兄妹に暗い影を落としていた。現在、丸神の里は、幸子や高志の大叔父にあたる当主・東丸隆三(伊武雅刀)が治めている。そんななか、参議院議員が衆人環視の下、 正体不明の巨大な●によって、その人体がえぐられるという奇怪な殺人事件が発生。現場近くでは、目深に帽子を被る長髪の怪しげな人物が目撃されていた。事件を報道で知った江見は以前、丸川町で発生した殺人事件との共通点に気付き――。

●第4話「新技能啓発セミナー」

――「失礼な。俺はこれでも日本人だぞ」(丸神頼之)

 ナン丸は、高志と八木原が主催する怪しげな「新技能啓発セミナー」に出席し、参加者に、●の能力を披露することに。熱い視線を浴びながら、●を操り、彫像の頭部を落としてみせると、会場は拍手と歓声に包まれる。高志からも「特別な人間にしかできない」と持ち上げられ、いままで自分の能力が役立たずだと思っていたナン丸は、意気揚々とした表情を浮かべる。彼は、高志と八木原が仕組んだ、金儲けの企みなど知る由もなかった。

 一方、江見ら丸神ゼミの面々は、丸神の里の七夕祭が、季節外れの6月に行われる謎についてリサーチしていた。同じ頃、丸川町では、かつて村を去った元神官・丸神頼之(山田孝之)が姿を現す。彼は幸子に一連の殺人事件の犯人が自分だと告白し、「悪夢を終わりにする」と宣言する。その後、頼之は、武器商人である増元(深水元基)とともに、政財界を操るフィクサーである“先生”(中村育二)を訪問。その際、ベールに包まれていた頼之の、人ならざる異形が明らかになる。

●第5話「えぐり魔」

――「あんたのほうがよっぽど化け物じみてるぞ」(丸神頼之)

 自分のことを化け物扱いしながら、その能力を利用し、富と権力を際限なく追い求める“先生”に対し、頼之は「あんたのほうがよっぽど化け物じみてるぞ」と言い放つ。一方、ナン丸も自分が金儲けの道具にされていたと知り、高志と八木原と距離を置き、自分の能力の使い道を模索する日々を送る。そんなとき、偶然、車のなかに閉じ込められた少年を救出したことで、報道やSNSを通して、ナン丸の能力が世間に知れ渡る。ナン丸の額の赤いできもののようなものも、いままで以上に目立つようになり、パワーの覚醒が近いことを示していた。

 この騒動に高志と八木原も乗じるが、目に余る愚行の数々に、ついに幸子をはじめ、●の秘密を守り続けてきた丸川町の住人が、東京に乗り込んできた。その際に、幸子は「自分たちはウソをついていた」と江見に詫び、行方不明になっていた丸神教授が丸川町に滞在していることを認め、丸神教授から江見宛の手紙を手渡した。

 八木原が謎の失踪を遂げるなか、ついに高志は故郷の人々と対面し、感情的な言い争いに発展。この騒ぎを、●の圧倒的なパワーで制圧したのが、頼之だった。あくまで能力は使い方次第だと前向きにとらえるナン丸に対し、幸子は否定的な態度を崩さない。そして幸子は、自らの背中に刻まれた“傷”をナン丸に見せつけるのだった。

●第6話「原則として秘密」

――「私は、私たちは、里を離れて生きるなんて、どだい無理なんです」(東丸幸子)

 幸子が神妙な面持ちで、ナン丸に語り始めたのは、自分の生い立ちだった。高志と幸子の母親・由紀子は、高志の“手がとどく者”としての能力を開花させるため、本家・丸神家の頼之に修行を依頼。息子が頼之に心酔する姿を、父・和彦は快く思っておらず、高志を虐待し、そのストレスのはけ口として、高志は幸子を傷つけていた。そして、ある日、事件が勃発する。高志が●の力で、和彦に瀕死の重傷を負わせてしまったのだ。それが原因で里を追われた高志。全ての責任をとって、由紀子も自ら命を絶ってしまう。

 その頃、丸神ゼミの面々は、丸神教授から届いた手紙をヒントに、丸神の里で6月に七夕祭りが行われる理由を突き止める。また、ナン丸の後輩で、ジャーナリスト志望の亜紀(鳴海唯)は、消失事件を追う刑事・佐藤(石田法嗣)を巻き込み、頼之の行方を追い始める。

 その頼之の“暴走”は、トラック、豪華客船、飛行機の消失と、次第にエスカレート。自分の目の前で、官房長官を消し去った頼之に対し、高志が理由を尋ねると、頼之は「人の心に土足で踏み込んだ挙句、今度は知らん顔をしている者」への復讐だと答えるのだった。

●第7話「進軍」

――「幸子に会ったら、俺が悪かったと伝えてくれ」(東丸高志)

 頼之による無軌道なテロ行為は、東京都庁の破壊にまで過激化。200人近い行方不明者が出る大惨事となり、政府は非常事態宣言を発令する。「悪夢を終わらせる」と語る頼之の真意は不明なまま、権力者である“先生”や仲介役を務めていた武器商人・増元との関係も破綻し、次第に誰も頼之をコントロールできなくなっていくのだった。

 その頃、ナン丸の前に高志が現れ、幸子への謝罪の言葉を託す。さらに、増元によって拉致された亜紀と佐藤の監禁場所をナン丸に教えると、姿を消した。

 高志からの情報を頼りに、ナン丸は亜紀と佐藤を救出するが、その際、ナン丸はとっさに●のパワーを発動させ、拳銃を突きつけてきた増元の部下に重傷を負わせてしまう。常に●の威力を良いことに使いたいと模索していたナン丸にとって、この出来事は、大いなる葛藤を抱えるきっかけとなる。そして、頼之は東京都庁の破壊を超える、世田谷区の住宅街を直径3キロに渡って消失させるという、未曾有の大惨事を引き起こすのだった。

●第8話「外からの力」

――「何したか分かってんのか、人がたくさん死んだんだぞ!」(ナン丸)

 これ以上、頼之の暴走を許すわけにはいかない。ナン丸は、江見、多賀谷、桜木、そして自身が救出した亜紀とともに、丸川町へと向かった。里の人々は、東京で多発する惨事を目の当たりにしてもなお、「外部の人に全てをお話しするわけにはいきません」の一点張りで、話をはぐらかすばかり。業を煮やしたナン丸は、現実に目をつむり、保身だけを考える丸神の人々に、怒りの言葉を投げかける。結局、両者の間で、翌日に当主・東丸隆三と対面する約束が交わされ、その場はおさまった。

 次の日、頼之と高志も東丸家当主に接近。頼之が「悪夢を終わらせる」という変わらぬ野心を表明すると、その言葉に、東丸隆三は何かを悟った様子。しかしその直後、頼之らの足取りが警察につかまれていたため、増元率いる特殊部隊に囲まれることとなり、東丸隆三をはじめ、多くの犠牲者が出る銃撃戦となる。さらには、激しい交戦の末、高志も複数の銃弾を受けて、命を落とす。死の直前、高志は頼之に対しても、妹・幸子への謝罪の言葉を口にしていた。

 現場の混乱が静まった頃、幸子は、竹林で血まみれになった兄の遺体と対面し、「なんで、なんで」と絶叫する。一方、江見は東丸邸に残された、頼之の6本指の手形が、鳥のカササギの形に酷似していることに気付く。丸神の里に伝わる旗に描かれているのが、まさしくカササギだったのだ。

●第9話「カササギからの贈り物」

――「自分の首に絡んでいる、見えない鎖のことだよ」(丸神正美)

 行方不明だった丸神正美教授の指示によって、ナン丸は東丸分家に保護され、その夜、自分を苦しめる悪夢について語る“窓を開いた者”幸子に、手を差し伸べる。そして、銃殺された兄・高志から生前託された、幸子への謝罪の言葉を伝えるのだった。

 当主・東丸隆三亭での凄惨な出来事は、なぜか“連続殺人事件”として県警が捜査をすることになるが、多数の犠牲者を出しながらも一切報道されず、何者かが目には見えない圧力をかけているのは明らか。容疑者である頼之をめぐっては、住民、警察、武装集団が対立し、里の緊張は最高潮に達する。「能力っていうものは、あくまで手段に役立てるための道具なのであって、目的そのものじゃない。こんなもんに、人間様がいちいち振り回されてちゃいかんのです」とナン丸。

 そこに現れたのが、長らく行方不明になっていた丸神教授。その額には、●の能力者の証が刻まれており、ようやく念願の再会を果たした江見だが、それを見てショックで気を失ってしまう。丸神教授は、自分と同じ“丸神”姓を持つ頼之の真の目的が「丸神山である」と語り、里の未来に新たな指針を示す。そして、ナン丸や丸神ゼミの面々を住居兼研究施設に招待すると、巧みな話術で次々と謎を紐解いていく“講義”が始まった。

●第10話(最終話)「祭り」

――「みんな、この世の広さを分かってない!」(ナン丸)

 長年の研究を通して、丸神の里の地形が、作為的に生まれたものだと推測する丸神教授は「確かな記録はない」と前置きし、ある可能性にたどり着いていた。約1000年前、カササギと仮称される地球外生命体が、丸神の里に飛来し、里の人々に“手がとどく者”の特殊な能力、そして“窓を開いた者”の悪夢を植え付けたのではないかと。神と崇めるカササギの再訪を待ち望んでいるからこそ、里の人々は何世代にもわたり、丸神山を守り、祭りを続けていた。たとえ、それが見えない鎖につながれているようなものだとしても――。

 一方、頼之は、再訪を待つ里の人々の期待に応えようとしない“知らん顔をしている者”であるカササギを恨み、悪夢を終わらせるために「丸神山を消滅させること」を決意する。ついにナン丸たちの前に現れた頼之は、自らが生み出す史上最大級の●に身を投じようとする。そして、幸子もその後を追うが、ナン丸は涙ながらに「みんな、この世の広さを分かってない!」と思いの丈を叫ぶのだった。全ての答えが集結した丸神山の山頂で、ナン丸と頼之、それぞれの正義を抱える能力者が選んだ結末とは?

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