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河合優実、カンヌ受賞作「ナミビアの砂漠」の山中瑶子監督と“相思相愛”と言われ「良かった」

映画.com 2024年8月22日 21時0分

 「あみこ」の山中瑶子監督が河合優実を主演に迎えた映画「ナミビアの砂漠」のジャパンプレミアイベントが8月22日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、河合優実、金子大地、寛一郎、山中瑶子監督が来場した。

 現代日本の若者たちの恋愛や人生を鋭い視点で描いた本作は、第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞を女性監督として最年少で受賞。日本映画として同賞を受賞したのは小栗康平監督「死の棘」、諏訪敦彦監督の「M/OTHER」、青山真治監督の「EUREKA」、黒沢清監督の「回路」、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」の5作品。山中監督自身は「(同賞の受賞作は)自分が映画が好きで、目指していた時に観て影響を受けたり、圧倒された映画ばかりなので。日本に限らず、外国の映画もそうですが」と前置きしつつも、「でも正直ピンときてないです……実感ってどうやって沸くんですかね? でもきっと多くの人に観てもらえることで実感できるのかもしれません」と笑ってみせた。

 カンヌ国際映画祭にこの4人で参加したということで、河合も「撮影の時はシーンごとでしか会わないし、このふたり(金子と寛一郎は)劇中で別々なので、カンヌにみんなで行けたことで撮影前より仲が深まった感じがしました」と述懐。今回の受賞についても「賞をいただけるとは思っていなかったですが、観客の反応がダイレクトに伝わってきて。自分たちが面白いと思ってつくったものは海を越えても伝わるんだなというのが驚きでしたし、うれしかったです」としみじみ振り返った。一方の金子は「初めての海外映画祭がカンヌで。本当にぜいたくだなと思って楽しんでいました。完全に浮かれてましたね」と笑顔を見せると、「カンヌに行ってみんなともより仲良くなって。今ならいろんな話ができます」と笑いながら付け加えた。

 山中監督の「あみこ」を観て衝撃を受けた河合は、監督に「いつか出演したいです」と手紙で伝えていたことがあった。その願いが実現し、河合も「その時の自分に伝えたらビックリするだろうなと思うし、映画を一緒に作れると決まってからもずっと一緒に撮影ができること、こうやって皆さんに作品を届けられることを本当に楽しみにしていた作品でした」と感激の表情。一方の山中監督も「お手紙をいただいてから、河合さんをいろんな映画で見かけるようになって。この約束はまだ大丈夫なのかと思っていました。ただわたしは本当に脚本を書くのに時間がかかるタイプで……。かなりお待たせしてしまいましたが、脚本を書く前の段階から、河合さんの存在に背中を押されていました。“感無量”という言葉をはじめて言いたい気持ちです」としみじみ。「それが相思相愛ってことですね」という司会者からの指摘に、河合も「相思相愛で良かった。どっちかが忘れているということがなくて、本当に良かった」としみじみ付け加えた。

 本作では、いじわるで、嘘つきで、暴力的、それでいながら夢中になってしまうような中毒的な魅力を持ったカナというキャラクターを演じることになり、「そこまで自分と似ているとは思わないですが、ポイントポイントでは理解できるというか。この気持ちは分かるなというところはあったので、そういうところからふくらませていったという感じです」と役づくりを振り返った河合。さらに「監督と話をしたときに、わたしの要素をかなり取り入れたとお聞きしたんですけど……。人の話を聞いていないところですね」と明かして会場を笑わせた河合。山中監督も「脚本を書く前にヒントを得たくて。何度かお話したときに『自分の嫌なところはありますか』と聞いたら、『人の話を聞いてないです』とおっしゃっていて。でもたぶん、まわりは聞いていないとは気付いていないと思います」とコメントすると、河合も「さも聞いているかのような顔をして、実は聞いていないということはたまにあります」と付け加えて会場を沸かせた。

 「ナミビアの砂漠」は9月6日から全国で公開。

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