藤ヶ谷太輔と奈緒の主演で、辻村深月氏のベストセラー小説を映画化する「傲慢と善良」の新場面写真2点がお披露目。藤ヶ谷が、俳優人生をかけて挑んだと語るキャラクターを紐解いていく。
物語の中心となるのは、マッチングアプリで出会った西澤架と坂庭真実。しかし、ふたりが婚約した直後、真実は突然失踪する。やがて架が彼女を探すなかで、知りたくなかった彼女の過去と嘘が明らかになっていく。
原作を「人生で一番好きな小説」と語る藤ヶ谷が、婚活で真実と付き合い始めるも1年も将来を決めない“傲慢”な架、「辻村作品に出演するのが夢だった」という奈緒が、親の敷いたレールの上で“善良”に生きてきた真実を等身大で演じる。繊細な心情描写と映像美を得意とし、「ブルーピリオド」で知られる萩原健太郎監督と、感情を揺さぶるセリフと緻密な構成力に定評がある、ドラマ「最愛」などの脚本家・清水友佳子がタッグを組んだ。
本作の映画化が動き出す前から、原作に惚れ込んでいた藤ヶ谷は、「もし映画化するなら絶対に架を演じたい。叶わなければ一生後悔する」と、自ら原作の関係者にアプローチし、念願叶って出演が決定した。自身を突き動かした原作の魅力について、「まだ気づいていない潜在的な感情に気づくことができ、自分の世界が広がるような作品です。恋愛面だけでなくミステリー要素も織り込まれているとても魅力的な作品」と語る。
藤ヶ谷が並々ならぬ思いで挑んだ架というキャラクターは、元カノに未練を持ちながら、マッチングアプリで出会った真実と交際するも、1年も結婚に踏み切れないという役どころ。社交的で友だちも多く、容姿端麗で一見完璧だが、どこか鈍感な部分があり、真実の人生をかけた“嘘”にも気づかない。
ドラマ「やめるときも、すこやかなるときも」(2020)では大切な人の死が忘れられない陰がある青年、ドラマ「華麗なる一族」(21)ではニヒルな頭取の御曹子に扮し、映画「そして僕は途方に暮れる」(23)では自堕落なクズ男を体現するなど、癖の強い難役を器用に演じてきた藤ヶ谷。本作では架を、人間味に溢れ、天然で憎めない愛すべきキャラクターへと昇華させた。
あわせて披露された新場面写真の1枚は、結婚を決意した架が真実にプロポーズするシーン。もう1枚には、突如姿を消した真実を探す架の切羽詰まった表情が切り取られている。ようやく結婚へと漕ぎつけたふたりの幸せな瞬間も束の間、真実の行方を探すうちに、架は彼女が過去にお見合いをしていたことを知る。
「傲慢と善良」は、9月27日から全国公開。