ダニエル・クレイグが「007」を卒業してから3年。次のジェームズ・ボンド映画への期待が高まるなか、新作の企画は予想以上に長引いている。英テレグラムによると、新作の公開は早くて2026年後半、遅ければ2028年になる可能性があるという。
情報筋によると、現時点で脚本はおろか、タイトルも監督も、そして新しいボンド役も決まっていない。ただし、一部の監督候補との初期的な面談は始まっているようだ。
候補として名前が挙がっているのは、「西部戦線異状なし」でアカデミー賞を受賞したエドワード・バーガー監督、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の脚本を手がけたケリー・マーセル、「キング」のデビッド・ミショッド監督などだ。さらに、「007 カジノ・ロワイヤル」と「007 ゴールデンアイ」を手がけたマーティン・キャンベル監督の名前も再び浮上している。
この長期化の背景には、複数の要因があるという。
まず、2022年にAmazonがMGMを買収したことで、製作体制に大きな変化が生じた。また、シリーズのプロデューサーであるバーバラ・ブロッコリが、ダニエル・クレイグ主演の「オセロ」など、他のプロジェクトに注力していることも影響している。
実は、「007」シリーズにこれほどの空白期間ができるのは初めてではない。1989年の「007 消されたライセンス」から1995年の「007 ゴールデンアイ」まで、6年以上の空白があった。当時も、スタジオの経営問題や、プロデューサーの健康問題、新たなジェームズ・ボンド役探しなど、さまざまな要因が重なっていたという。
新しいボンド役については、アーロン・テイラー=ジョンソンの名前が有力候補として挙がっている。しかし、過去の例を見ると、噂の的となる俳優が実際に起用されるとは限らない。「ブリジャートン家」のレゲ=ジャン・ペイジや、「ジェントルマン」のテオ・ジェームズなど、適度な知名度を持つ新星の起用も考えられる。