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“ジョーカーダンス”はアドリブだった! ホアキン・フェニックスが生み出した「ジョーカー」の名シーンを振り返る

映画.com 2024年9月3日 12時0分

 ホアキン・フェニックスが主演を務めた「ジョーカー」の続編「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」が10月11日に全国公開を迎える。本記事では、前作の名シーンを振り返る。

 前作「ジョーカー」は、第76回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、第92回アカデミー賞で最多11部門にノミネートされ、フェニックスが主演男優賞を獲得。世界興行収入は1500億円(10億ドル)を突破し、2019年公開当時R指定映画史上歴代最高記録を樹立した(※BoxOffice Mojo調べ)。

 孤独だが心優しいアーサーは、コメディアンを夢見て、都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら、ドン底から抜け出そうともがいていた。しかし、理不尽だらけの世の中で、不遇な生い立ちに行き場のない怒りを募らせた彼は、悪のカリスマであるジョーカーへと変貌を遂げる。

 劇中には、強烈なインパクトを与える狂気的なシーンがいくつも登場。その1つが、ある衝撃的な事件を起こして公衆トイレに逃げ込んだアーサーが、突如、ダンスを踊り出す場面だ。

 “悪のカリスマ”へと変貌を遂げるきっかけとなる本シーンについて、トッド・フィリップス監督は「振付師がいたわけではなく、僕が指示したものでもない。全てホアキンが作り上げたものなんだ」と明かす。もともとは事件を起こしたジョーカーが拳銃を隠すだけのシーンだったが、フェニックスのアドリブによって名シーンの一つが誕生した。

 さらに、出自を知ったことで希望が絶たれ、より狂気的な男へと変わり果てていくジョーカーが、冷蔵庫の中身を引きずり出して中へ入る不可解で不気味なシーンもホアキンのアドリブによるものだという。

 撮影監督のローレンス・レジャーは、「いくつかのシーンについては綿密に計画されたものでしたが、そのほかのシーンについては、まったく計画されていませんでした」と振り返る。そして、「特に、ホアキンが冷蔵庫に入ったときは、私たち製作陣は面食らいました。あの演技をして見せたとき、僕たちスタッフは完全に心を奪われました」と製作陣も衝撃を受けたことを明かした。

 フェニックスのアドリブは劇中のアクションシーンでも炸裂。ジョーカーがピエロ仲間を殺害するシーンでは、緊張感を演出するためにリハーサルも行わず、狂気的なジョーカーを表現するためにスタントマンに対してもアクションの内容を明かさずに本番に臨んだ。スタント・コーディネーターのジョージ・アギラールは「ホアキンの演技はダンスのようなものだよ。ジョーカーが残忍で狂った男に見せるためには彼の動きにスタントマンが合わせる必要があったんだ」と語っている。

 続編にして完結編となる「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」では、前作から2年後を舞台に、社会への反逆者・民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカーの暴走が加速。レディー・ガガ演じるリーと呼ばれる謎の女と出会い、ジョーカーの狂気がリーへ、そして群衆へと拡散し、世界を巻き込むジョーカーの新たなショー=事件の幕が開く。

 「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」は10月11日より公開。前作「ジョーカー」は、9月13日より一部を除く全国のIMAX・Dolby Cinemaで再上映されるほか、「【初回仕様】ジョーカー アルティメット・コレクターズ・エディション<4K ULTRA HD&ブルーレイセット」(価格:税込8580円/2枚組・豪華封入特典付)が10月9日発売。

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