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「ジョーカー2」ベネチア映画祭で12分間のスタンディングオベーション!  ホアキン・フェニックス、レディー・ガガらが登場

映画.com 2024年9月5日 18時0分

 ホアキン・フェニックスが主演を務めた「ジョーカー」の続編「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」のワールドプレミアが、日本時間9月4日に第81回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で行われ、レッドカーペットセレモニーにフェニックス、レディー・ガガ、トッド・フィリップス監督らが登場した。本映画祭出品を記念し、新映像(https://youtu.be/EU02Z1pNjh8)も公開された。

 孤独だが心優しかった男が、歪んだ社会の狭間で“悪のカリスマ”に変貌していく衝撃のドラマを描いた「ジョーカー」(19)は、第76回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、第92回アカデミー賞で最多11部門ノミネート、フェニックスが主演男優賞の栄冠に輝いた。

 前作から2年後が舞台となる今作では、社会への反逆者・民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカーの暴走が加速。レディー・ガガ演じるリーと呼ばれる謎の女と出会い、ジョーカーの狂気がリーへ、そして群衆へと拡散し、世界を巻き込むジョーカーの新たなショー=事件の幕が開く。

 本作が初披露されるということもあり、大勢のマスコミとファンが集まり、会場は熱狂に包まれた。フェニックスは、「なぜ多くの人が前作に共感したのかは正直わからないです。それぞれの観客が、それぞれ違った要素に惹かれたんだと思います。いつもみなさんが語る内容に驚かされます。今回の作品は“安心を感じる愛への追求と切望”だと思います」とコメント。

 さらに、本作の重要な要素の一つとなる音楽について、「物語に合わせて選び抜かれた曲だからこそ、その解釈を理解することが鍵でした。歌唱シーンの撮影はすべてライブで録音されたものです。テイクごとに声が異なって、とてもエキサイティングな体験でした」と裏側を語った。

 物語のカギを握る謎の女性リーを演じるレディー・ガガは、「ホアキンと仕事ができたのは本当に光栄だったし、とても楽しい体験でした。彼には解き放たれて自由なところがあって、これまでのわたしの映画経験とは全く異なるものになりました。毎日、いかに正直で、真実にみちた瞬間を表現するかということに集中しました」と撮影を振り返った。そして、「トッド監督が伝えるストーリーはとても興味深いもので、“これは絶対に思いつかない”というものに仕上がっています。みなさんには、私たちが決めるのではなく、映画を観て自分自身でこの作品のテーマをみ見つけ出してほしいです」と語った。

 続編作品として史上初の最高賞=金獅子賞の連続受賞の期待を背負うフィリップス監督は、「私たちとしては大きなプレッシャーを感じていました。実際に続編を作ることになったとき、私たちは大胆でなければいけなかったし、続編だとしても前作と比べて予想外の作品にするには、どうするべきかと考えていきました」とコメント。

 「前作のジョーカーは、目には見えなくても彼の心の中には音楽と愛が溢れていた。本作では客観的な視点よりも、ジョーカー自身の目を通して多くの情報が表現されている。そしてリアリズムという点では共通しますが、より想像的で象徴的なシーンが多くあるのが、本作の特徴だと思います。そして……この作品は、1作目に対する“答え”ではないとも加えておきます」と語った。

 上映後、観客はキャスト・監督に向けて12分間に渡るスタンディングオベーションを送った。本映画祭の受賞作品は、日本時間の9月8日に発表される。

 「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」は、10月11日に全国公開。キャストのコメント全文は以下の通り。

【ホアキン・フェニックス(ジョーカー役)】

なぜ多くの人が前作に共感したのかは正直わからないです。それぞれの観客が、それぞれ違った要素に惹かれたんだと思います。いつもみなさんが語る内容に驚かされます。今回の作品は“安心を感じる愛への追求と切望”だと思います。

この作品で象徴的な音楽は、物語に合わせて選び抜かれた曲だからこそ、その解釈を理解することが鍵でした。歌唱シーンの撮影はすべてライブで録音されたものです。テイクごとに声が異なって、とてもエキサイティングな体験でした。

減量については、詳しく語るつもりはないよ。退屈だと思うから(笑)。でも前よりも難しかった。というのも、今回はダンスシーンが多く、ダンスのリハーサルもたくさんやる必要があったから。今49歳ですが、もうこのような事はしない方が良いでしょうね(笑)。

【レディー・ガガ(リー役)】

前作にとても心を揺さぶられました。トッドはとても美しく素晴らしい作品を作り、そしてホアキンの演技も素晴らしかった。今までに観たことがない作品だったと感じたことが、今作で私が参加した理由です。

わたしたちのアプローチは特別で、とてもニュアンスに富んだものでした。通常の映画で描かれるような歌唱シーンとはとても異なるもの。この映画での音楽の使い方は、キャラクターの感情を表現すること。セリフだけでは十分ではなく、キャラクターたちが言いたいことを音楽で表現しています。ジョーカーの中には常に音楽が流れていて、私はただ、トッド監督のビジョンを音楽とともにやり遂げただけです。

ホアキンと仕事ができたのは本当に光栄だったし、とても楽しい体験でした。彼には解き放たれて自由なところがあって、これまでのわたしの映画経験とは全く異なるものになりました。毎日、いかに正直で、真実にみちた瞬間を表現するかということに集中しました。トッド監督が伝えるストーリーはとても興味深いもので、“これは絶対に思いつかない”というものに仕上がっています。みなさんには、私たちが決めるのではなく、映画を観て自分自身でこの作品のテーマを見つけ出してほしいです。

【トッド・フィリップス(監督)】

この映画と共にベネチアに戻ってくる事に対して強い思いがありました。しかし期待値も上がっているのも感じているため、本作に関してはとても緊張しています。前作に関しては、僕たちが何をしているのかは誰にも知られていなかった。本作では一転、常に注目され続けていた。撮影中から様々な憶測や考察がネット上にあがっていたので、私たちとしては大きなプレッシャーを感じていました。

ホアキンはもともと“続編”をやる必要はないと考えていました。前作の時に「次もやろうか」なんて冗談で話してはいましたが、実際にやるとなったらそれはホアキンにとってもある意味恐怖でもあると思います。実際に続編を作ることになったとき、私たちは大胆でなければいけなかったし、続編だとしても前作と比べて予想外の作品にするには、どうするべきかと考えていきました。

前作のジョーカーは、目には見えなくても彼の心の中には音楽と愛が溢れていた。本作では客観的な視点よりも、ジョーカー自身の目を通して多くの情報が表現されている。そしてリアリズムという点では共通しますが、より想像的で象徴的なシーンが多くあるのが、本作の特徴だと思います。そして……この作品は、1作目に対する“答え”ではないとも加えておきます。

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