米テレビ界の“アカデミー賞”ともいわれる最高峰の賞、第76回エミー賞の授賞式に先立ち、主にテレビシリーズの制作・技術に携わった人々に贈られる「クリエイティブ・アーツ・エミー賞(Creative Arts Emmy Awards)」が発表され、ディズニープラスで配信中の戦国スペクタクル「SHOGUN 将軍」が、単年での受賞数としては史上最多となる14部門を受賞。ノミネートされていた日本人7人全員が栄冠に輝く快挙を成し遂げた。
「SHOGUN 将軍」が賞に輝いたのは、撮影賞、編集賞、プロステティックメイクアップ賞、ゲストアクター賞、キャスティング賞、プロダクションデザイン賞、音響編集賞、音響賞、視覚効果賞、スタント・パフォーマンス賞、メインタイトルデザイン賞、メイクアップ賞(歴史劇&ファンタジー)、衣装デザイン賞、ヘアースタイリング賞の計14部門だ。これまでの最多受賞記録は、HBOのミニシリーズ「ジョン・アダムズ」が持つ13受賞で、ドラマシリーズとしては、同じくHBOの「ゲーム・オブ・スローンズ」の12受賞だった。また、ドラマシリーズ部門以外では、短編部門のノンフィクション/リアリティシリーズ賞にて、特別番組「The Making Of Shogun」も受賞を果たしている。
そして、9月15日(現地時間)には、エミー賞の授賞式がロサンゼルスで開催される。「SHOGUN 将軍」はドラマシリーズ部門にて、作品賞・監督賞をはじめ、主演男優賞(真田広之)、主演女優賞(アンナ・サワイ)、助演男優賞(浅野忠信、平岳大)に日本人俳優が名を連ねる、歴史的快挙を達成しており、受賞の行方に大きな期待が寄せられている。
本作は、1980年にアメリカで実写ドラマ化され、驚異的な視聴率を記録したジェイムズ・クラベルのベストセラー小説「SHOGUN」を、新たに映像化した戦国スペクタクル。「トップガン マーヴェリック」の原案を手がけたジャスティン・マークス、レイチェル・コンドウらハリウッドの制作陣が、関ヶ原の戦い前夜の日本を舞台に、徳川家康や石田三成ら歴史上の人物にインスパイアされた、天下獲りに向けた陰謀と策略の“謀り事”を壮大なスケールで紡ぎ出す。すでにシーズン2&3の制作が決定している。
「クリエイティブ・アーツ・エミー賞」受賞者のコメント(全文)は、以下の通り。
●川村恵(キャスティング賞受賞)
改めてすべては“出会い”であると実感いたしました。素晴らしいストーリー、スタッフとキャストの皆様に心より感謝申し上げます。
●帯金伸行(スタント・パフォーマンス賞受賞)
エミー賞という名誉ある賞を頂き大変光栄に思います。「SHOGUN 将軍」という素晴らしい作品に巡り合い参加させて頂いた事と、真田さんはじめ携わってくださった全てのキャストとスタッフの皆さん、そして40年以上に渡り挑戦し続ける力を与えてくれた家族や仲間たちに感謝します。本当に有り難う御座いました。
●南博男(スタント・パフォーマンス賞受賞)
偉大なエミー賞に、スタントパフォーマンス部門で受賞できたこと、大変光栄に思っております。スタントコーディネーターを始め、作品に携わった皆様のご協力のもと、今回の受賞に至ったと思っております。
●赤工隆(音響賞受賞)
この度はエミー賞受賞という自分のキャリアの中で予想もしていなかった出来事に、喜びと共に正直驚いております。また、自分のような裏方の人間がこういった賞を頂けるというのは言葉に出来ないくらい誇らしく、光栄極まりないです。「SHOGUN 将軍」という作品に参加できたことはもちろん、真田さんを始めスタッフの皆様に感謝申し上げたいと思います。
●田中謙一(衣装デザイン賞受賞)
この度は、エミー賞という素晴らしい賞を頂戴し、誠にありがとうございます。カルロス率いる衣裳チームに一日本人として参加させていただく機会をくださった、全てのプロデューサー様たちを始め、キャスト、スタッフの皆様に心から感謝します。そして、今回「SHOGUN 将軍」の衣裳に関わった、バンクーバーの全てのクルー、日本から当初よりご尽力ご指導いただいた先生方、地元のローカルから参加された着物ドレッサーの皆様のご協力あってこその賞だと思っております。また、日本からいつも応援してくれてる両親にも感謝したいです。
●山内あや子(音響編集賞受賞)
番組がすごく好評で、沢山の人にご視聴いただき、大変嬉しく思っています。日本語原語で音声収録なので、英語話者の視聴者の反応がとても気になっていましたが、字幕の質が完璧で楽しめたという声を聞きました。言語だけではなく、作品に対して関わった全ての人たちがとても真剣に取り組んでいたため、楽しく作業ができました。シーズン2、シーズン3も引き続き沢山の人に楽しんで頂けたらと思います。
●三宅愛架(編集賞受賞)
この度、エミー賞という栄誉ある賞を受賞することができ、心から喜びを感じています。編集一筋で17年間、地道に努力を重ねてきましたが、ようやくここまで来たという思いです。しかし、これをあくまで通過点とし、今後もさらに精進を重ね、皆様に感動をお届けできる作品を作り続けていきたいと考えています。そして、「SHOGUN 将軍」を日本だけでなく世界中の皆様にご覧いただき、日本の素晴らしい文化と民族性を届けるお手伝いができたことを、心から光栄に思っています。