映画「傲慢と善良」のジャパンプレミアが9月11日、東京・有楽町朝日ホールで行われ、主演の藤ヶ谷太輔（Kis-My-Ft2）と奈緒、倉悠貴、桜庭ななみ、萩原健太郎監督、原作者の辻村深月氏が出席。藤ヶ谷は、劇中で自身が演じる架が身に付けていた時計を購入したことを明かした。
本作は、辻村氏の同名ベストセラー小説を、映画「ブルーピリオド」の萩原監督が映画化。これまで仕事も恋愛も順調だった西澤架（藤ヶ谷）は、長年交際していた恋人にフラれたことをきっかけに、マッチングアプリで婚活を始める。架は、そこで出会った控えめで気の利く坂庭真実（奈緒）と付き合い始めるが、真実がストーカーに狙われていると告白するなか、ある日突然姿を消してしまい……。
原作が刊行されたときから、小説に出てくる言葉が心に刺さり、物語をこよなく愛していたという藤ヶ谷。当時はまさか自分が演じることになることは思ってもみなかったというが、こうして主演として物語に参加したことに「言霊ってあるんだな」としみじみ語る。
そんな思い入れの強い作品だからこそ、藤ヶ谷は「個人的にも夢が形になる瞬間なので、ドキドキフワフワした感覚」とこの日の心境を述べると、「とても嬉しい気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せる。
真実を演じた奈緒も「辻村さんの作品のなかで生きたいというのが、この仕事を始めたときからの夢だったんです」と念願の辻村作品出演だったことを明かし、「夢が叶って嬉しい。信頼する監督、キャスト、スタッフの皆さんと作り上げた作品を辻村さんに観ていただけることが幸せです」と感無量な表情を浮かべていた。
そんな二人のラブコールに、辻村氏は「私が見たかった映画を作ってくださってありがとうございます」とメッセージを送り、「言葉を尽くして書いた小説のなかで、私が見たかった架と真実を描いてくださいました」と感謝。
「嬉しいですね。ニヤニヤしちゃう」と破顔した藤ヶ谷は、「実は劇中で架がつけている時計を自分でも買いました」と腕時計を見せると、「なかなか役でつけていたものを買うことはないのですが、自分のなかで架として過ごした期間はとても大切な時間だったので、今はお守りのようにつけています」と、どれだけ自分にとって大切な作品だったことを強調していた。
藤ヶ谷の言葉に、辻村氏は「そんなに思い入れを持っていただけるなんて嬉しい」と喜び、「本当にこの小説を書いて良かったです」と話していた。
「傲慢と善良」は、9月27日から全国公開。