北方謙三版「水滸伝」(全19巻/集英社文庫刊)が、WOWOWで完全映像化されることが決定。織田裕二が主演を務め、梁山泊のリーダー・宋江(そうこう)を演じることがわかった。今回の解禁に伴い、特報スポット(https://youtu.be/m_dP89waZzk)、織田らのコメントも発表されている。
累計発行部数1160万部を突破し、文学史上で孤高の輝きを放つ歴史大河小説の金字塔「大水滸伝」シリーズ。その壮大なスケールから映像化が困難と言われた「水滸伝」全19巻が、WOWOWで完全映像化される。舞台は北宋末期(12世紀初頭)の中国。同じ志を持つ漢たちが“梁山泊(りょうざんぱく)”に集い、腐敗した世を正すべく敢然と立ち上がる。
これまで日本の映画・ドラマ界を牽引してきた織田が、梁山泊の頭領・宋江(そうこう)を演じる。織田が演じる宋江は決して、武力に長けているわけではないが、誠実に紡ぐ言葉とカリスマ性により仲間を束ね、後に梁山泊のリーダーとして同志を導く存在。宋江は、世直しの檄文を書き記し、腐り切った国家を倒すべく、壮絶な戦いに身を投じていく。
12世紀初頭、北宋末期の中国。政に興味を示さぬ帝のもと、汚職が横行し、腐敗した国で民たちが苦しみにあえいでいた。そんな状況に怒りを覚えた政府の下級役人・宋江(演:織田裕二)は、世直しを唱える書物「替天行道(たいてんぎょうどう)」を著す。そして、その写本を手に彼の右腕である豪傑僧侶・魯智深(ろちしん)が、同じ志を持つ同士を求め全国を奔走。近衛軍である禁軍(きんぐん)の武術師範・王進(おうしん)、天下無双の槍の名手・林冲(りんちゅう)、さらには軍のエリート将校・楊志(ようし)らが大きな混乱の渦に巻き込まれていく。
同じ頃、“托塔天王(たくとうてんのう)”の名で恐れられる叛徒・晁蓋(ちょうがい)もまた、世直しの機をうかがっていた。宋江と晁蓋は手を組み、梁山湖に浮かぶ巨大な要塞を拠点として戦いに挑むことを決意する。一方、腐敗した宋は、禁軍を筆頭に地方軍も含めた強大な兵力を有し、さらに幹部・李富(りふ)が実権を握る闇の組織・青蓮寺(せいれんじ)が暗躍し、宋江らの前に立ちはだかるのだった。
監督は主演の織田とタッグを組み、TVドラマ「振り返れば奴がいる」(1993)、「お金がない!」(94)、「正義は勝つ」(95)、さらに映画「ホワイトアウト」(00)などヒット作を世に送り出した若松節朗。映画「沈まぬ太陽」をはじめ、数多の人間ドラマを描き「Fukushima 50」で第44回日本アカデミー賞最優秀監督賞に輝いた名匠だ。脚本は舞台「キングダム」の脚本をはじめ、ミュージカル、ストレートプレイ、アニメ、ゲームと幅広いジャンルの脚本を手掛ける劇作家・藤沢文翁が担当する。
【織田裕二】
これほどの長期間の撮影は聞いた事も、もちろんやった事もありません。
それを若松監督をチーフディレクターとして若松組の皆さんと一緒にやれる!
原作は北方謙三さん
漢(おとこ)とは?
今の時代、これほど漢を貫いている人は数少ない。
まさに漢を体現している愛嬌溢れるチャーミングでワイルドな兄貴、、、
その人が書いた原作を実写化する。
ワクワクするに決まってる。
この超大作を企画したプロデューサーは、まだ30代の青年だと聞いて驚いた。
彼は10代の時にこの水滸伝に出会ったんだそうだ。
そしてキャスト。
魅力的な出演者が多いのが、この水滸伝。
どんな素晴らしい役者と出会えるのか、楽しみ、多くの人の胸を借りよう。
この歳で、この様な作品と出会えて嬉しい。
人生観が揺さぶられる様な撮影になる事を期待して。
この閉塞感の続く日本に水滸伝は見逃せない。
【北方謙三(原作)】
はじめは「本当に作れるのだろうか」と思った。
それが、今は、「本当に作れるのだ、良かった」と感じている。
作家の仕事は、本になった段階で完結している。
原作は、映像を構成する素材のひとつに過ぎない。
その素材をどのように活かすか、私は見てみたい。
小説通りではない、新たに生まれる未知の創造物を見てみたい。
「水滸伝」は現代劇ではない。
リアリティの飛躍がある。
ストーリーの飛躍がある。
俳優の演技、存在感、監督や脚本家の想像力と表現力。
衣装や小道具にいたるまで想像力を結集し、
それらが飛躍し、映像として物凄く圧倒的な世界を作るのではないかと期待している。
【若松節朗(監督)】
中国の歴史物語「水滸伝」(北方謙三版)がドラマ化される!
圧政に苦しむ民を救う為、巨大権力に立ち向かう革命の物語だ。
逆境の中に夢を求めて抗う漢たちの革命は成就するのか、新風は吹くのか?
何十人もの登場人物がそれぞれに個性的に描かれていて群像劇としての魅力も尽きない。
映像化にあたり、あまりのスケールの大きさに立ち竦む自分もいる。
ここは織田君はじめ出演者のエネルギーを借りるしかない。
中国舞台の壮大なドラマの映像化に、今、我々が試されている!
【藤沢文翁(脚本)】
作家人生でこれほど重責を担う仕事があったでしょうか。
初めてお会いした時、そこには水滸伝の原作者という“人”ではなく、
北方謙三という“文学”が立っていました。
それは私という人間が受け止めるには、あまりにも巨大なものでした。
しかし、先生は
「小説家の仕事はペンを置いた時に終わっている。あとは好きに書け」
と仰ってくださいました。
笑顔をくださいました。
私の舞台を観劇してくださいました。
熱い盃を交わす夜をくださいました。
視聴者の皆様と同じく、私も北方謙三先生の大ファンです。
心血を筆に滲ませて、この超大作に向き合わさせていただきます。
【大原康明(プロデューサー)】
世界中に閉塞感の漂う今だからこそ、
北方謙三先生の「水滸伝」が求められていると思っております。
この壮大なプロジェクトのために織田裕二さんをはじめ
最高のキャストの皆様、そしてスタッフの皆様が集結してくださいました。
私自身、原作の大ファンです。
いつかこの作品に携わることを夢見て、エンターテインメントの世界の扉を叩きました。
制作準備が進むにつれ、原作をお預かりする重圧と責任をひしひしと感じております。
しかし、開発を進める中で、
このチームなら最後まで駆け抜けることができると確信しております。
原作を初めて読んだあの日の滾るような高揚感と感動を映像で届けるために、
皆の志をひとつに、全身全霊をかけて挑みます。
WOWOWの挑戦に、是非ご期待ください。