「夏目アラタの結婚」(公開中)に出演する黒島結菜が、特殊メイクで連続殺人犯・品川ピエロの姿に変身する様子をとらえたメイキング映像が公開された。
原作は、「医龍 Team Medical Dragon」シリーズの原作などで知られる乃木坂太郎氏の人気漫画。児童相談所職員の主人公・夏目アラタが、連続殺人犯の死刑囚・品川真珠にプロポーズすることから始まる“獄中サスペンス”を描く。
映画は「SPEC」シリーズ、「十二人の死にたい子どもたち」などの堤幸彦監督がメガホンをとり、連続殺人事件の遺族から相談を受け、死刑囚に会いに行く元ヤンキーの児童相談所職員・夏目アラタを柳楽優弥、“品川ピエロ”の異名をもつ死刑囚の品川真珠を黒島がそれぞれ演じた。共演には中川大志、丸山礼、立川志らく、福士誠治、今野浩喜、市村正親、佐藤二朗らが顔を揃えた。
公開前から黒島の怪演が注目を集めていた本作だが、実際に劇場で見た観客からは「黒島結菜さんの一挙手一投足の全てが魅力的で期待値以上」「黒島結菜が見事にそして圧倒的に作品を支配し空気を作っていた」という感想に加えて、「真珠が真珠すぎてすごい」など原作ファンからも絶賛する声が相次いでいる。
品川真珠は、3人の社会的に成功した男性を殺した連続殺人犯。逮捕時、太ったピエロのような風貌をしており、笑った時に見せるガタガタの前歯から“品川ピエロ”という異名で日本中から恐れられていた。
映像には、黒島が撮影前に3時間かけて“品川ピエロ”に変身する様子が収められている。制作陣は、顔や体形、ピエロメイクのデザインなど約2カ月の制作期間を掛けて特徴的なピエロを作り上げた。表情がわかりやすくなるようにあえて口の周りは厚みを薄くするなど、随所にこだわりがちりばめられている。
黒島は初めての特殊メイクについて、「特殊メイクをした時はずっと座っていて身動きが取れない状態だったので、自分がどういう姿になっているのかが分からなかったんです」と振り返る。そして、完成した姿について「見てみたらちゃんと私なんですよね」と話し、「私の面影はあって、ちゃんと太っていて、あ……怖いって思いました」と感想を語った。
ビジュアル面でもう一つの注目ポイントとなっているのが、特徴的なガタガタの歯。原作者の乃木坂氏も実写化において、「真珠の『歯』は、自分の人生を奪われ続けた真珠の存在証明の象徴なので、作者としてはそこは絶対に譲れない」と語っている。この特徴的な歯並びは、特注のマウスピースを制作して再現。大きすぎず、出っ歯にならないように、口も閉じられるようになど細部までこだわり抜き、黒島も何度も試着し、改良が加えられた。マウスピースの制作には、5カ月を要したという。
なぜ真珠の歯はガタガタなのか? なぜピエロ姿なのか? 本作は、キャラクターの造形そのものが、謎解きの大きなヒントとなっている。黒島は「サスペンスだけでなく、ラブストーリーやコメディ、色々な要素があるので多くの人に楽しんでいただきたい」と語っている。
「夏目アラタの結婚」は全国公開中。