47年の時を経て、4K修復版で12月13日から日本初公開される「ペパーミントソーダ」(1977)の予告編が公開された。
「サガン 悲しみよこんにちは」(2008)などで知られる、フランスの女性監督ディアーヌ・キュリスが、少女時代の体験を基に脚本を書き上げ、1977年に公開された長編デビュー作。主人公はシングルマザーの母とパリのアパルトマンで暮らす13歳のアンヌと15歳のフレデリック。ティーンの姉妹の日常風景を時にコミカルに、時に切なく描く。
公開当時フランスでは300万人を動員の大ヒット、ルイ・デリュック賞、全米ナショナル・ボード・オブ・レビューでは外国語映画賞に輝き、ニューヨークタイムズ紙ではフランソワ・トリュフォー監督の「大人は判ってくれない」の少女版と評された。本作の製作40周年記念としてデジタル修復版が2018年にフランス・アメリカで公開され、米批評サイトRotten Tomatoesの批評家たちが投票するTOMATOMETERで91%をはじめ、そのみずみずしくも鮮烈な作風は時代を超え批評家、観客から高い評価を得ている。
また本作は、2021年に「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」の公開を記念した特集上映で、ウェス・アンダーソン監督が、お気に入りのフランス映画7作品を発表。フランソワ・トリュフォーの「恋愛日記」(77)、ジャック・ベッケルの「幸福の設計」(47)などに先んじてトップバッターとして本作をオープニング作品に選出した。
このほど公開された予告編は、リセ(フランスの高校)の女子学生たちが新学期を迎え久しぶりに再会するシーンで幕を開ける。「男の子と寝た?」「何があったの?」と、恋愛に興味津々のティーンの会話、そして窮屈で退屈な学校生活、フレデリックとアンヌという姉妹を中心に、少女たちの心情を鮮やかな色彩で描いた本作のエッセンスが凝縮されている。
「ペパーミントソーダ」は、12月13日から渋谷 ホワイト シネクイントほかで公開。