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【受賞コメントあり】真田広之「SHOGUN 将軍」エミー賞で史上最多18部門の“天下獲り” S2撮影開始は「1年後を目指す」

映画.com 2024年9月17日 12時0分

 米テレビ界のアカデミー賞ともいわれる最高峰の賞、第76回エミー賞の授賞式が9月16日(日本時間)、ロサンゼルスで行われ、ディズニープラスで配信中の戦国スペクタクル「SHOGUN 将軍」が作品賞、主演男優賞(真田広之)、主演女優賞(アンナ・サワイ)、監督賞(フレッド・トーイ/第9話「紅天」)の4冠に輝いた。すでに発表されていたクリエイティブ・アーツ・エミー賞での14部門と合わせて、単年での受賞数としては史上最多となる18部門を総なめにし、歴史的“天下獲り”を成し遂げた。また真田とサワイは、日本人俳優として初のエミー賞受賞を達成した。

 授賞式では「SHOGUN 将軍」が次々に主要部門を受賞し、関係者のボルテージも急上昇。作品賞受賞の瞬間には、会場から割れんばかりの拍手が巻き起こり、「SHOGUN 将軍」チームのキャスト、スタッフ全員が壇上にあがった。エグゼクティブプロデューサーのジャスティン・マークス(「トップガン マーヴェリック」)による受賞スピーチに続き、本作でプロデューサーも務める真田は日本語でスピーチ。東西の壁を超えて、ハリウッドが日本の時代劇を世界に送り出した「SHOGUN 将軍」チームとエミー賞の会場全体が、受賞を讃え合った。

●真田広之「全員で奇跡を作ることができました」

 日本人として初めて主演男優賞に輝いた真田は、「この場に立てることを誇りに思います。奇跡です」と、感無量の面持ち。関係者に対し、「最後まで私を信じて、サポートしてくれてありがとう」と、感謝を述べた。そして本作について、「東と西が(壁を越えて)出合う夢のプロジェクトでした。とても難しいプロジェクトでしたが、全員が一致団結しました」としみじみ語り、「私たちは全員で奇跡を作ることができました。そして我々はともにより良い未来を作ることができます。本当にありがとう」と、喜びを噛みしめた。

 そして、プロデューサーとして作品賞を手にした際には、日本語で「これまで時代劇を継承して支えてきてくださった全ての方々、そして監督や諸先生方に心より御礼申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は、海を渡り国境を越えました」と、長い歳月をかけ、時代劇という文化を築き上げた先人たちへの愛と敬意を示した。

 授賞式後には「このたびのエミー賞受賞、大変光栄です。『SHOGUN 将軍』のスタッフ、キャストと分かち合いたいと思います」と、コメントを発表。「子役の頃からお世話になった全ての方々、そして支えて頂いたファンの皆さんに、改めて感謝いたします」といい、「これを励みに、今後も俳優として新たな挑戦を模索しながら、日本の素晴らしい題材や才能を世界に発信して参りたいと思います」と、決意を新たにした。

●アンナ・サワイ「この受賞は全ての女性のためのものです」

 真田と同じく、日本人初の快挙を達成したサワイは、「名前が呼ばれる前から泣いてしまっていました」と、大粒の涙。ジェニファー・アニストン、リース・ウィザースプーンら名だたる候補者たちに対しては「私は皆さんを見て育ちました」と、敬意を示していた。

 また、真田に対して「私のような俳優にドアを開けて、チャンスを与えてくれました」、共演シーンの多かったコズモ・ジャービスに対しては「私が知る限り、最も正直で誠実で恐れ知らずな俳優です。あなたのおかげで、私は120%の力を出すことができました」と、それぞれ感謝を伝えた。最後は、「いままで支えてくれたお母さんありがとう。あなたのおかげで、私は鞠子を演じて、いま、ここにいることができました。この受賞は全ての女性のためのものです」と、締めくくった。

 授賞式後の取材では、「夢のようで本当にまだ信じられていない、明日起きたら1回つねってみたいです」と、日本人、そしてアジア人初となる主演女優賞受賞という歴史的快挙に率直な感想を明かす。今後の俳優業については、「自分にとって意味のあるものを演じたい。『SHOGUN 将軍』のように、キャラクターが自分の一部になって、見ている皆さんが感じ取るものが大きい、奥の深いキャラクターや物語を選んでいきたい」と抱負を述べ、「これからも国境問わず、いろんな所で頑張って、皆さんと一緒に盛り上げていきたいです」と話していた。

●「SHOGUN 将軍」シーズン2はどうなる?

 海外では配信日の火曜を、真田が演じた主人公・虎永にちなみ“Toranaga Tuesday”と呼ぶなど社会現象化した「SHOGUN 将軍」。エミー賞の快挙を前に、ディズニー傘下の製作会社・FXは、シーズン2&3の開発に着手したことを発表しており、主演でプロデューサーの真田をはじめ、主要なクリエイティブパートナーが続投することになっている。

 この件に関しても、授賞式後の真田はコメントしており、「ライターズ・ルームがオープンし、ロケ地、スタッフィングの話をしています」と、すでに脚本家チームが招集されたことを認めた。また、撮影開始については「1年後を目指しています」と語り、「長い旅の始まりに、いま立ったところ。70%が日本語のセリフの作品が、この結果につながったことは、(『SHOGUN 将軍』の)可能性が広がったと感じます」と、意欲を燃やしていた。

 また、「SHOGUN 将軍」が製作された意義については「数年後にわかる気がする」とし、「自分にとっても大きなことですが、今後の業界、若い俳優たちに大きな布石になるのではないかと。いろんな才能が海外に飛び出していくのをサポートしたい」と、さらなる未来を見据えていた。

▽「SHOGUN 将軍」第76回エミー賞に輝いた部門一覧/( )内は日本人受賞者

●1. 作品賞(プロデューサー:真田広之)
●2. 主演男優賞(真田広之)
●3. 主演女優賞(アンナ・サワイ)
●4. 監督賞
●5. 撮影賞
●6.編集賞(三宅愛架)
●7. ゲスト男優賞
●8. キャスティング賞(川村恵)
●9.プロダクションデザイン賞
●10. 音響編集賞(山内あや子)
●11. 音響賞(赤工隆)
●12.視覚効果賞
●13.スタント・パフォーマンス賞(南博男、帯金伸行)
●14.メインタイトルデザイン賞
●15.メイクアップ賞 歴史劇&ファンタジー
●16.衣装デザイン賞(田中謙一)
●17. ヘアースタイリング賞
●18. プロステティック メイクアップ賞

 ※日本人の受賞者は史上最多9人。また、ドラマシリーズ部門以外では、短編部門のノンフィクション/リアリティシリーズ賞にて、特別番組「The Making Of Shogun」が受賞している。

【「SHOGUN 将軍」作品概要】

 1980年にアメリカで実写ドラマ化され、驚異的な視聴率を記録したジェイムズ・クラベルのベストセラー小説「SHOGUN」を、新たに映像化した戦国スペクタクル。関ケ原の戦い前夜の日本を舞台に、徳川家康や石田三成ら歴史上の人物にインスパイアされた、天下獲りに向けた陰謀と策略の“謀り事”を壮大なスケールで紡ぎ出す。

 米制作の連続ドラマで初主演を務める真田が、家康にインスパイアされた戦国最強の武将・吉井虎永を演じるほか、プロデュースも手がけ、日本人の立ち振る舞いや話し方、小道具に至るまで、入念にチェック。ハリウッドと手を組み、“日本の魂”を本気で描くため、尽力した。「SHOGUN 将軍」(全10話)は、ディズニープラス「スター」で独占配信中。

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